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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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 元々は鉄道ブログです。
 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
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九州州都論争と九州国際空港論争
 九州地方知事会が、従来目指していた九州広域行政機構ではなく特定広域連合の九州広域行政機構を設立する方針だと2か月ほど前に報じられました。
 これは、従来の国の出先機関の受け皿から一歩踏み込んで各県の関連する事務も移管するという事のようです。
 道州制へとまた一歩進んだという事でしょうか。

 九州地方知事会(会長・広瀬勝貞大分県知事)は29日、国の出先機関の原則廃止に伴う「受け皿」組織として、特定広域連合を設立する方針を明らかにした。出先機関の事務に加え、「持ち寄り事務」として関連する各県の事務の一部も広域連合に移管する。
 出先機関を地方移管できるようにする特例法案で、受け皿組織が特定広域連合に限定される見通しになったことを踏まえた対応。既に7県知事は了承しており、政府が今国会への提出を目指す同法案の成立を待って設立準備を始める。
 広域連合は地方自治法に基づく自治体の一種。構成自治体の事務の一部を共同で行うことを目的とするため、出先機関廃止の受け皿になる場合、各県からの持ち寄り事務も担うことになる。
 一方、九州地方知事会はこれまで、出先機関からの移譲事務だけを処理する「九州広域行政機構」(仮称)設立を目指し、受け皿組織として特別な形態を認めるよう政府に求めていた。
 ただ、特定広域連合で持ち寄り事務を行う場合、予算配分などで各県の利害が絡むため、どんな事務を対象にするかで市町村や県議会などとの調整が難航する可能性もある。
 九州地方知事会事務局は「法案が成立すれば特定広域連合の規約案や持ち寄る事務を調整したい。市町村にも示し、各県議会の理解を得たい」としている。
(九州知事会「広域連合」設立方針・2012年5月30日付 西日本新聞朝刊)

 記事中にもありますが、「予算配分などで各県の利害が絡」んできます。
 果たしてどうなるのか・・・。

<移管する事務だけではない利害対立>

 この記事では移管する事務をどうするかでもめるかもと書かれていますが、利害対立はそれだけではありません。
 以前から見てきた州都問題(関連関連関連関連)はその最たる例でしょう。

 過去を振り返ってみると、「九州国際空港構想」がいい例のような気がします。

<九州国際空港構想とは?>

 1992年から検討されていたという「九州国際空港構想」は、以下のような流れであったようです。

1――空港適地選定問題の発生
1.1 九州国際空港構想の経緯
1985年頃から円高などにより海外旅行者が増え,国際空港の容量が不足してきたため,九州にも近・中距離中心の国際空港が必要との認識が高まった.92年に九州知事会,九州・山口経済連合会の調査検討委員会が九州に国際ハブ空港が必要との結果を報告した.これを受け,3地域6地点(後に5地点)の候補地調査が開始されたが,各県の利害調整が困難となり,94年,候補地一本化を当面断念した.各県が行った調査は前提条件が違うため議論がかみ合わず,第三者機関(ワイズメン・コミッティ)で検討することとなった.
1.2 第三者機関での審議
ワイズメン・コミッティに求められたものは候補地の総合評価であり,既存調査を踏まえつつ必要な調査を行い,有識者の判断として最適候補地を選定することである.私はその検討手法のお手伝いをさせていただいた次第である.
■ コメントの概要
98年度の福岡空港の旅客数は国内4位を占め,また貨物の輸出入額では名古屋を上回って国内3位である.一方,福岡空港の発着回数は98年度13万回を超えているものと思われ,もはや限界に近づいている.福岡空港問題の解決は大きなメリットをもたらすが,熊本,長崎両県が反対している以上,九州国際空港としてではなく,「新福岡」として二種空港で行わざるを得ない.ワイズメンの答申はAHPを用いているが,費用便益分析を併用した方が玄海東の優位性がより明確になったのではないか.
(参照)

 この筆者はワイズメン・コミッティ(第三者機関)側の方なので、ワイズメンの立場でのコメントになっているようです。

 調べてみると、想定されていたのは以下の8ケース。
 ワイズメンとしてはこのケース2を推したようです。

ケース1 新宮・津屋崎沖 現福岡空港廃止
ケース2 新宮・津屋崎沖 現福岡空港存続
ケース3 糸島半島沖   現福岡空港廃止
ケース4 佐賀空港地区 現福岡空港存続
ケース5 佐賀空港地区 現福岡空港廃止 新福岡空港建設
ケース6 長崎空港地区 現福岡空港存続
ケース7 大牟田・荒尾沖 現福岡空港存続 現熊本空港存続
ケース8 大牟田・荒尾沖 現福岡空港存続 現熊本空港廃止
(参照)


<まとまらない九州国際空港構想>

 ところが、それに納得しなかったのが長崎県と熊本県だったようです。
 長崎県の意見は分かりませんでしたが、熊本県の意見に近いものは見つかりました。

 平成8年に策定された第7次空港整備七ヵ年計画において、九州国際空港については、今後、国際航空需要の動向等への対応について調査検討を行うと明記されている。九州国際空港検討委員会では、3地域5地区(新宮・津屋崎沖、糸島半島沖、佐賀空港地区、大牟田・荒尾沖、長崎空港地区)が優れた候補地としている。
 今回は、大牟田・荒尾沖の優位性を確認するため、同地区と旅客数が確保できるため有力視される福岡の新宮・津屋崎沖の2地区を視察した。大牟田・荒尾沖の候補地は、荒尾競馬場の4km沖。内海で波が穏やかなため用地造成費が、新宮・津屋崎沖の7840億円と比較し、4000億円であり、コスト面で優位であり、風向も安定している。当日は、競馬場の会議室にて誘致期成会メンバーと意見交換を行った。(夕方のTVニュースで私がアップで映っていたそうです)  翌日、新宮・津屋崎沖を視察したが、風が強く、玄海灘のため波が非常に荒かった。
(九州国際空港候補地 あなたへアクセス・熊本県議会議員鎌田聡)

 建設費用が格段に安いというのが理由だったようですね。
 まあ、ウチから近いってのが声にはならない理由でしょうが、それを言ってては始まらない(^_^;)
 大牟田・荒尾沖であれば福岡から西鉄電車で60分と少しで着きそうですから、福岡市民にとっても悪くはなさそうです。

 ただ、大牟田・荒尾沖案だと福岡空港は存続してしまう設定だったようですね。
 そうなると、福岡空港の需要すべてを引き継ぐことはできず、ワイズメン側としても辛い評価になったのではないでしょうか。

 ネット上の情報を総合すると、熊本・長崎側がワイズメンの候補地選定方法の信憑性やメンバー構成に疑問を抱いてポシャッてしまったようです。
 では、ワイズメンのメンバーはどのような人たちだったのでしょう。

◆中村英夫
 運輸政策研究所 所長
◆速水 優
 日商岩井 相談役
◆牧野 昇
 三菱総合研究所 相談役
◆松井和治
 日本海事財団 会長
◆山本雄二郎
 高千穂商科大学 教授
(表―1 ワイズメン・コミッティ委員)

 まず、座長は牧野昇さんだったようです。
 牧野さんは、当時三菱総合研究所相談役。栃木県出身で東京帝国大学工学部卒業後に大学院修士課程を修了した技術者のようです(参照)。
 次に、中村英夫さんは、当時運輸政策研究所所長。京都府京都市出身で東京大学工学部卒のようです(参照)。
 何か聞いたことのある速水優さんは、当時日商岩井相談役。兵庫県神戸市出身で東京商科大学卒らしいです(参照)。
 松井和治さんは、当時日本海事財団会長で、運輸大臣官房長や運輸事務次官を歴任した後運輸省顧問や新東京国際空港公団総裁を務めた人らしいです(参照)。出身地等は不明。
 山本雄二郎さんは、当時高千穂商科大学教授。愛知県生まれで早稲田大学第一法学部卒だそうです(参照)。

 経歴からは、福岡寄りかどうかは分かりませんでした。
 まあ、こういうのって、事務局が原案作ってしまってたりするのかもしれませんけど。

 ただ、福岡市近郊の案以外では福岡空港が存続することになっていたので、他の案が不利なのは否めなかったでしょう。

 まあしかし、福岡市民の立場からすれば、福岡空港廃港はとんでもない話ですわ(^_^;)

 そういった条件設定の面で、長崎や熊本が疑念を抱きそうな感じはします。

 でもさすがに、長崎に作るんなら福岡空港は廃港できんやろ(^_^;)


<結局、新福岡空港構想に>

 で、九州国際空港構想はめでたくポシャッてしまいます。
 でもなぜか、糸島案や津屋崎案や新宮案は復活します。
 新福岡空港構想として。

 どこにも証拠はありませんが、九州国際空港構想って福岡空港の代替空港を作ろうって所から出てきたのではないかと思います。
 それが急務だと思われていたからこそ、すぐに新福岡空港構想が語られたのではないでしょうか。
 ですが、今と同じように便利な空港を福岡に!と言っても到底他県からは受け入れられない話でしょう。
 結果として、「各県の利害調整が困難となり(参照)」第三者が検討した結果も「熊本,長崎両県が反対(参照)」という事になったのでしょう。

 州都も同じ事です。
 道州制論議を煮詰め、あるべき道州の形とそれを実現させる州都像が明らかにならないまま、好き勝手に州都論争が始まろうとしています。
 結局は、州都をどこにするかで揉め、道州制は実現できないのではないかという気がしています。

<ついでに>

 で、もし仮に新福岡空港を作る場合、地元にも応分の負担を求められる可能性が高そうです。

中部空港の建設に際して、国は民間資金を活用した施設整備事業(PFI)のモデル事業と位置づけた。このため、具体的な事業スキームとして建設資金は、出資金と借入金で調達した。空港会社の資本金となる出資金の割合は地元経済界を中心とした民間が50%、国が40%、地方自治体が10%となっている。貸入金は国や地方自治体からの無利子貸入金と市中銀行などから調達した有利子貸入金からなる。
(中部空港にみる新しい空港のカタチ・2008年11月30日付フォーラム福岡)

 こんな財力が、福岡にあるのでしょうか?
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Keyword : 道州制

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