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シェリー・ベネット「ラーラはただのデブ」を読んだ
 合間合間に読んでた小説を読了しました。
 シェリー・ベネット(Cherie Bennett,1960-)の、ラーラはただのデブ(LIFE IN THE FAT LANE)。
 とんでもない題名の小説です。
 もちろん、題名のインパクトで読みました(^_^;)
 題名決めた人は、マーケティングのプロフェッショナルに違いない。

 原題の「LIFE IN THE FAT LANE」というのは、「おデブ街道まっしぐら」と訳されるようです(参照)。
 こちらも身も蓋もない題名ですが、読み進めるうちにマーケティング戦略だけでは量れない邦題の奥深さが分かってきます。

 この小説。アメリカ合衆国に今生きる十代向けのもののようです。
 まあ、僕も永遠の15歳だから、読んだってかまわんでしょう。

 幼い頃から数々の美人コンテストで優勝してきた、美人でスタイル抜群で成績優秀で優しくて完璧な家庭に育った高校2年生のラーラが、いきなり太りだすというお話です。
 太ってしまった原因は、ダイエットすればするほど体重が増えるアクセル-クラウン症候群(架空の病気です)。

 ラーラはとても痩せていた頃はとても優しい女の子でした。
 例えば、太っている同級生にダイエット方法を教えてやろうとして怒らせたり、太った女の子をからかう同級生を「やんわりとたしなめ」たり・・・。
 でも、実際自分が太ってみると、それがいかに無神経だったのか分かり、自分になされる同様の「親切」が気になりだします。
 性格がひねくれてしまうと言ってしまえばそれまでですが、視野が広がったとか賢くなったと表現することだってできます。

 最近僕も、似たような傲慢さから余計な「親切」をしようとしていました。
 自分のやる事って、自分じゃよく分かっていないものですよね。

 そして、ラーラは、太った人は皆「ただのデブ」扱いされてしまうことに気付くのです。

「おかしくてたまらないわ」わたしはみじめな思いで言った。「前は、姿形のせいで、わたしがどういう人間か知らなくても、みんながわたしを気に入ってくれた。それがいまでは、姿形のせいで、わたしがどういう人間か知らないうちは、みんながわたしを嫌うのよ」
(P219)

 まあ、逆に美人だって「ただの美人」と一緒くたにされてるんでしょうが(^_^;)

 そしてラーラは家庭の事情で不本意ながら転校し、過去の栄光を誰も知らない土地で暮らし始めます。
 周囲にとってラーラは「ただのデブ」に過ぎません。
 でも、彼女は周囲の「ただのデブ」と自分は違うと思い続けます。

 お気の毒さま。わたしたちに共通点は一つもないわ。あなたはたぶん、ペリー・ジェームソンみたいにのべつまくなしに食べる人で、ぶくぶく太るのも自業自得なんでしょうけど、わたしは自分ではどうすることもできない肉体の犠牲になっているだけなの。
(P260)

 しかしそんなラーラに、友人はこう言うのでした。

「同じとは言わないわ。でもね、あなたの話を聞いているとつい、ある人のことを思い出さずにいられない。注射針からエイズに感染した医者で、セックスで感染した人より自分のほうがえらいと思っていた人よ」スーザンはもう一口、紅茶を飲んだ。「でも、ねえ、ふたりともエイズはエイズなわけでしょう?」
(P299)

 AIDSを引き合いに出すのは何だかなぁと思いますが、言いたいことは分かります。

 そもそも、「ただのデブ」なんていません。
 僕の知っている「デブ」には緩慢な人も俊敏な人もいます。
 大食いもいれば、信じられないくらい小食の人もいます。
 元々がっしりした骨格の人もいれば、薬の副作用で浮腫んだ人だっています。

 先日、「知的障害者はいきなり怒り出す。」と言われました。
 この人は決して差別的な人ではなく、とても良識的な善意溢れる方でした。
 でも、周囲に知的障害者がいないのです。
 この人が怒っている知的障害者を見る時は、最初から怒っているのでしょう。
 だから、怒った原因があることが分からない。
 そして、怒った原因を知的障害に求めてしまう。

 「ただのデブ」ってのは、それと同じ思考停止のような気がします。
 「ただのデブ」なんていないし、「知的障害者だから怒る」わけでもないのです。

 手厳しく非難されて反発するラーラですが、恋人への負い目から恋人から離れたくなるという共通の思いに触れ共感していきます。
 この本の裏表紙にはこうあります。

170センチ、50キロ、スタイル抜群、成績優秀。高校2年生のラーラは、幼いころから数々の美人コンテストでも優勝し、期待されていた。蕁麻疹のための薬がきっかけで、急に太りはじめたラーラ。エクササイズ、ダイエット、絶食、果ては大量の下剤まで試すが、効果はなく体重は増えるばかり。取り巻きたちは手のひらを返したように冷たくなり、「外見なんて気にしない。いつまでも愛している」と言っていたボーイフレンドまで離れていってしまい…。

 実際、離れたのはラーラ自身でもありました。
 でも、離れざるを得ないのが苦しみであるわけで・・・。

 ということで、今回の本はこちら。
ラーラはただのデブ (集英社文庫)ラーラはただのデブ (集英社文庫)
(2003/03/20)
シェリー・ベネット

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 どんどん変化していくって点では、アルジャーノンに花束をに似てる印象を受けました。
 この話でも、知能がどんどん変化していく物語です。

アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)
(1999/10)
ダニエル キイス

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 アメリカ合衆国のスクールカーストと言えば、僕はキャリーを思い出します。
 こちらでは、「親切な」女の子は生き残りましたがね。

キャリー (新潮文庫)キャリー (新潮文庫)
(1985/01)
スティーヴン・キング

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