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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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ライ麦畑の捕まえ屋
 数日前、出身大学の中央食堂で見たこともない男にクソミソに罵倒された夢を見た。職場への電車の中でつらつら考えてみると、どうやら前夜に読んだ本の感想が出てきたらしい。読んだ本とは、J.D.サリンジャー(注1)「ライ麦畑でつかまえて」

 この本を読むのは初めてではない。多分初めて読んだのは中学時代だ。持っている本は時代背景(注2)から、就職してから買ったものだろうと思われる。何回か読み返しているが、今回は主人公のホールデン・コールフィールド少年(注3)よりも彼の周囲にいる友人たちに共感してしまう。特に隣室のだらしのないアクリーには心底共感を覚えた。そんなこんなで、僕は夢の中でホールデン氏にクソミソにやられたのだろう。
 今までであれば、僕はホールデンになってしまっていればよかった。それだけで済まなくなったのは、自分をホールデンよりも駄目な人間として認識しているためか、僕が妥協してしまったためか、僕が幾分でも大人になってしまったためか、僕が「やさしくなりたい(注4)」気もちだからか、僕よりホールデン向きの人間が周囲にうろうろしているためか、僕自身が「The catcher in the rye(注5)」を夢見て挫折したためか、それはよく分からない。どちらにせよ、僕にとっては何度も読み返すに値する本である。
 全然関係ないが、この本の原題は「The catcher in the rye」である。直訳すれば「ライ麦畑のつかまえ手」とでも言うのだろうか。非常にロマンチックな訳で、おかげで日本でも売れたのだと思う。確信犯的誤訳である。主人公がロバート・バーンズ(注6)の作とされる詩「Comin' Through the Rye(注7)」を勘違いしていたエピソードからきているのだが、原文でないとこのあたりの意味が分からない。翻訳とは難しいものだ(注8)。

【脚注】

注1・・・J.D.Salinger。1919年1月1日米国ニューヨーク市生まれ。小説家。1951年に「ライ麦畑でつかまえて」でデビュー。一躍ベストセラーとなり時の人になる。1953年にそれまで発表した29編の短編小説から9編を選んだ「ナイン・ストーリーズ」、1961年に「フラニーとゾーイー」、1963年に「大工よ屋根の梁を高く上げよ―シーモア・序章」を上梓。1953年にニューハンプシャー州コーニッシュに隠遁。現在に至る。私生活は謎に包まれており、彼を追った「サリンジャーをつかまえて」という本も出ている。ちなみにこの本の作者イアン ハミルトン(Ian Hamilton)はサリンジャーに告訴されている。
注2・・・BookOffの100円均一の値札が貼られていたため。僕の高校・大学時代はBookOffなんてなかったし、「ライ麦畑でつかまえて」を100円コーナーに置く古書店主はいなかったと思う。
注3・・・彼の年齢は16歳である。
注4・・・「やさしくなりたい」時、人は「やさしくされたい」と思っている。と、僕は思っている。この前永井真理子に顔が似ていると同僚に言われたが、このアルバムだけ所有しています。
注5・・・ホールデンの告白「とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしてるとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない-誰もって大人はだよ-僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ-つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ(訳・野崎孝)」より
注6・・・Robert Burns(1759-96)。スコットランドの国民的農民詩人。彼の誕生日の1月25日にスコットランド人は彼の詩を朗読し、祝うという。古いスコットランド民謡の詩を新たに書き、知らしめたことでも知られており「Auld Lang Syne(古き良き時代・「蛍の光」の原曲)」や「Comin Thro' The Rye(故郷の空)」は特に有名。岩波文庫の「バーンズ詩集」は現在手に入りにくいようだが、どうしてもという方は国文社から「ロバート・バーンズ詩集」が出ている。6000円。僕はあまり興味がありません。
注7・・・作品中では「ライ麦畑で会うならば」と訳されている。一般的な邦題は「故郷の空」。この詩をつけたスコットランド民謡は、「If a body meet a body coming through the rye」という題名らしく、日本では伊藤武雄訳詞の「麦畑」で知られている。福岡では視力障害者向け信号の曲として、「とおりゃんせ」とともに使われている。
注8・・・そんな僕のために村上春樹氏が「キャッチャー・イン・ザ・ライ」という題名で翻訳しているらしい。僕的には、16日の「夜と霧新版と並んでチェックしてみたい新訳だ。また、講談社英語文庫からも「ライ麦畑でつかまえて [英語版] 」が出ている。

【2013年7月18日追記】

 旧日記から若干手直しした上で再掲しました。
 この文章を書いてから10年経つんですね。恥ずかしい文章ですが、自分へのダメ人間感は変わりません。

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