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特別養子縁組
 先日、このような記事が新聞に載りました。

 児童福祉法で営利目的の活動が禁じられている特別養子縁組のあっせん事業を巡り、東京都内の2団体が2011年度までの3年間に90件のあっせんを手がけ、うち80件で養父母側から寄付金名目で計約8300万円を受け取っていたことが分かった。
 ほぼ一律に請求し、1件で200万円近くを受領したケースもあった。厚生労働省は、高額の寄付は実質的なあっせんの対価にあたり同法に抵触する恐れもあるとして自治体に調査を指示。都は11日から立ち入り調査を始める。
 晩婚化などの影響もあり、民間団体による特別養子縁組は11年度に127人と09年度の約3倍に急増した。児童福祉法は人身売買を防ぐため、養子あっせんで利益を得ることを禁じており、厚労省は1987年通知で、民間団体が養父母から受け取れる金を交通・通信費などの実費に限定。06年通知では、寄付金は任意に限ると明記した。
(養子あっせん80件で計8300万円「寄付金」・2013年7月11日付読売新聞)


<特別養子縁組とは?>

 特別養子縁組とは何でしょうか。
 東京新聞の記事に解説が出ていたので、引用します。

<養子縁組> 実の親子でない人同士が、法的な親子関係を結ぶ制度。特別養子縁組と普通養子縁組の2種類がある。特別養子縁組は養子となる子どもの福祉が目的で、養子と実の親との法律上の関係を完全になくす制度。原則、養子は6歳未満、養父母は25歳以上に限られる。普通養子縁組は、養子が実の親との相続権など法律上の関係を保ったまま、養子関係を結ぶ制度。
(養子斡旋 規制強化へ 株式会社関与を禁止 厚労省方針・2013年7月12日付東京新聞朝刊)


<この問題のあらまし>

 この件に関して、東京新聞の記事が当事者に取材していたので引用します。

 特別養子縁組の斡旋(あっせん)をめぐり、東京の民間団体が子どもを紹介した養父母側から多額の現金を受け取り寄付金として計上していた問題で、厚生労働省は十一日、斡旋事業の在り方に関する通知を見直す方針を決め、検討を始めた。事業への株式会社の関与禁止など、営利目的につながらないよう規制を強化する。 
 寄付金問題で東京都の立ち入り調査を十一日に受けたのは東久留米市の一般社団法人ベビーライフ。登記によると、同じ所在地に「養子縁組の斡旋」を目的に掲げる株式会社ベビーライフがある。
 厚労省によると、社団ベビーライフは任意団体として活動していた二〇一一年度までの三年間に四十四件を斡旋、養父母から約三千三百万円の実費のほかに約四千六百万円の寄付を受け取っていた。一件当たりの寄付の最高額は百八十七万円。
 児童福祉法は営利目的の斡旋を禁じており、厚労省は立ち入り調査した東京都を通じて実態の把握を急ぐ。
 同省は昨年三月の通知で、養子の斡旋は公益法人やNPO法人が行うよう要請。株式会社が関わることは「法の趣旨に反する」とみており、今後、民間企業の斡旋関与を禁じる内容を通知に盛り込むことを検討する。
 社団ベビーライフの篠塚康智代表理事(30)は取材に対し、自身が社長を務める株式会社ベビーライフについて「子どもの一時保育の委託を受けているが、斡旋には関わっていない」と説明。社団の寄付金受領に関しても「事務所費や人件費などの経費を『エンジェル・フィー』として受け取っていた。実費として計上すべきものだが誤って寄付金としてしまった」と説明した。
 二〇一二年に社団から約七百万円、株式会社から約百万円の報酬を受け取ったという。
 また、東京都新宿区のNPO法人「環(わ)の会」も自治体への報告書によると〇九~一一年度に四十件超を斡旋、養父母から三千万円超の寄付金を受け取っていた。同会は、一人目の養子縁組は百二十万円、二人目は六十万円を一律で負担してもらっていたと説明。寄付金は子どもの一時保育料などに充てていたが一部は積立金として計上、一二年末の積立金額は二千七百万円に上るという。
(養子斡旋 規制強化へ 株式会社関与を禁止 厚労省方針・2013年7月12日付東京新聞朝刊)

 厚生労働省の通知はこちら

<他の斡旋事業者はどうなのか?>

 それでは他の斡旋事業者はどうなのでしょうか?
 これも東京新聞の記事を引用しておきます。

◆ベビーライフ「寄付金でなく団体運営費」

 社団「ベビーライフ」は、二〇一一年度までの三年間に受け取った約四千六百万円を「エンジェル・フィー」と称する団体運営費と位置付け、寄付金との認識を否定する。
 篠塚康智代表によると、〇九年の設立から八十二件の養子縁組を斡旋。交通費や出産費用の実費のほか、養父母には団体運営費の負担を求めてきた。
 フィーは今年五月からは国内の養父母に一律百八十万円、国外の場合は二万五千五百米ドル。一一年は百五十万円だったが、一一年度に二百万円の赤字を出し、一二年に百六十万円に値上げした。一二年度は二百十七万円の黒字だったという。
 篠塚代表は一件につき数十万円から百数十万円がかかると説明し「命の橋渡しをしている」と強調する。
 一一年度は人件費や事務所費で、三千万円以上の出費があったといい、篠塚代表は「養父母への請求額は組織運営の上で適正な金額と思う」と話す。
 一方、一律で実費と寄付金を受け取っていた「環の会」。星野寛美代表は一律の受け取りは誤りだったと認めた上で「これからは寄付金と呼ばない。実際は保育料。育て親になる負担は大きく、納得してもらい、きちんと育てられるか確認している」と話した。
 斡旋を希望した神奈川県の女性が本紙取材に「メールで三百万~四百万円」を示唆されたと明かしたことには「メールだけで金額を示すことはなく、間違いではないか」と否定した。
 埼玉県川口市の大羽賀秀夫さん(62)は一一年度に三十二件の特別養子縁組を成立させ、計三十六万円の寄付金を得た。うち六万円は三件の養子縁組で、赤ちゃんの実母の両親などから「今後の活動に役立てて」と渡された。残り三十万円は知人からの寄付という。
 昨年五月に一般社団法人「命をつなぐゆりかご」を設立した大羽賀さんは、寄付について「『骨折り賃』として頂くこともある」と否定しない。ただ、多額の寄付には「事前に『これぐらい』と示して断れない雰囲気にすれば、営利目的と言われても仕方がない」と指摘した。
 千葉県八街市の「赤ちゃんの命を守る会」は実費のほか、運営費に充てるため、十万円の寄付を求めている。代表で牧師の植西光雄さん(76)は「病院への支払いなど縁組成立前にまとまった金額が必要。寄付金は協力金で、もうけは全くない」と説明した。
(養子斡旋 規制強化へ 株式会社関与を禁止 厚労省方針・2013年7月12日付東京新聞朝刊)

 厚生労働省調査東京新聞の記事によると、特別養子縁組に関する事業者として15者が挙げられています。

 この調査によれば、実費を受領している事業者は12。その平均額は45万3千円(0~205万9千円)。
 会費を受領している事業者は3。その平均額は1万1千円(0~4万5千円)。
 寄附金を受領している事業者は7。その平均額は46万8千円(0~180万円)(参照)。

<お金をもらうのは悪い事か?>

 そんな中、NHKの地方発 ドキュメンタリーで「彼女たちの出産~2013 ある母子寮の日々~」というものをやっていました。

予期せぬ妊娠で子どもを授かった女性。経済的な問題やパートナーとの不安定な関係のため、産んでも育てることができないとき、女性たちが駆け込む場所がある…。
茨城県土浦市にあるNPO法人。予期せぬ妊娠をして子どもを産むことになった女性たちが日々の生活に追い込まれてやってくる。NPO法人では彼女たちに無料で母子寮を提供して出産までをサポート。生まれた子どもと不妊に悩む夫婦との特別養子縁組を仲介している。NPO法人には月に60件ほどの相談が寄せられている。命を抱えてさまよう女性たちの母子寮での日々を見つめる。

【語り】風吹ジュン

 この団体は、特定非営利活動法人NPO Babyぽけっと
 望まない妊娠をした人たちに、出産までの間の母子寮まで提供しているのが(番組によると)珍しいのだそうです。
 出産費用は後から出るでしょうが、それまでの生活費まで立て替えていて、団体も維持しなければいけません。
 また、日本の場合はこれらの活動に対して全く行政の金が出ていない現状があるのだそうです(参照)。

 厚生労働省の養子縁組あっせん事業の指導についてでは、「交通、通信等に要する実費又はそれ以下の額を徴収することは差し支えない」とありますが、それではなりたたないのではないでしょうか?
 ある程度実費+αを受領しなければならないのは当然だと思います。

<ただしお金の出所は問題>

 でも、NHKの番組を見ていて問題だと思ったのは、特別養子縁組以外の選択肢がほとんど示されなかった事です。
 あるいは、母子寮に入る前の段階で示されたのかもしれませんが、途中で心変わりすることも十分にあり得ます。
 子どもとの法律上の関係を完全になくすというのは、そういう重い選択だと思うからです。

 厚生労働省の養子縁組あっせん事業の指導についてでは、「自己の子を他の者の養子とすることを希望する者に対して里親委託、児童福祉施設への入所などの児童福祉法上の他の措置についても説明を行うとともに、必要に応じて児童相談所と連絡をとるよう指導する」とあります。
 「養子縁組あっせん事業に従事する職員として、社会福祉士、児童福祉法第13条第2項に定める児童福祉司となる資格を有する者、医師、保健師、助産師又は看護師である相談員を2名以上配置するよう指導すること。なお、そのうち1名は社会福祉士であることが望ましいこと。」とあるのも、そういった機能を期待しての事でしょう。

 ですがそれを、斡旋事業者が行うのは明らかに筋違いだと思うのです。
 親になりたい人が多い現状と、そちらから金銭を受け取らなればならない現状を考えると、斡旋事業者は特別養子縁組ありきになってしまっても誰も責める事は出来ません。

<分かりやすい入口を整備すべきでは?>

 厚生労働省の社会的養護の現状についてによれば、日本での社会的養護の約9割が児童養護施設と乳児院が担っています。
 家庭的養護の推進が叫ばれており、福岡でも子どもの村福岡なんてのも作られているようですが、なかなか進んでいかないのが現状であるようです。
 ですから、子どものためにも特別養子縁組は意味があるとは思います。

 ですが、先述したとおり特別養子縁組は非常に重い選択だと思います。
 熊本市の慈恵病院こうのとりのゆりかご(いわゆる赤ちゃんポスト)を設置した際にも書きました(参照)が、どのような仕組みや制度があってどういったメリットやデメリットがあるのかを、母親に示すことができる分かりやすい窓口を作る必要があるのではないでしょうか。

 ちなみに児童相談所の全国共通ダイヤルは0570-064-000。
 児童相談所は非常に多忙で、産まれてくる前の子どもにまでは手が回らないとされているそうです。
 そういう面からも、そういった女性に関する相談事業をきちんと位置付け、斡旋事業者も含めて民間に委託してみてはどうかと思うのです。

【2014年1月29日追記】

 明日、ママがいないという日本テレビ系列のドラマに対し、慈恵病院全国児童養護施設協議会全国里親会が内容について抗議をしたようです(参照参照参照参照)。
 一方では、抗議に疑問を呈している児童養護施設関係者もいるとの報道(参照)もあり、門外漢である僕にはどれが正しいのか分かりません。

 そんな中、里親家庭を「家」と呼ばないでという「元里子」の方々が書かれている「里親家庭」体験記サイトを読んでみました。
 「里親家庭」は「里子」の「家庭」にはならないという趣旨のサイトだと思いますが、里親の報酬が思ったより高額だったのは正直驚きました。報酬が高ければ、報酬目当ての人が集まるでしょうからね。
 また、下手に「家庭」なだけに割り切った関係にならずに子どもにとってしんどい部分も確かにあるのかも知れないなと思いました。

 特に「『善意』について考える。」で始まる「親の執着的愛情」と「善意の里親のオナニー」は別モノというを読んでいると色々身につまされました。
 僕ら社会福祉業界にいる人間にとっても、自分の「善意」は結構厄介な代物なのかもしれません。
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