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「強化子」
 先日、職場で「コミック会話」についての話になりました。

コミック会話については、本も出ているのでそちらを是非購入して頂きたいですが、簡単に説明をすると大きめの紙などに、当人と相手を描きます。棒人間で表します。
そして口から発した言葉を漫画の吹き出しのように書いていきます。
「その時、君はどんな気持ちだった?」
本人の言葉を聞きながら心の内をモクモクとした雲形の吹き出しで書きます。
「それで相手はどう思ったかと言うと・・・」と
相手の気持ちを雲形の吹き出しで書きます。

気持ちという目に見えないものを、見えるようにしてあげることで理解をさせていきます。
(参照)

 あー。ソーシャルストーリー(参照)みたいなもんですな。

 ちなみに、Social StoryやSocial Storiesは、キャロル・グレイ(Carol Gray)氏の登録商標らしいです(参照)。
 自分の考えを正しく知って欲しいって事でしょうが、恐いなあ。恐いなあ。


 んなわけで、今日は「強化子」について書いてみます。

<強化子とは>

 「強化子」というのは、いわゆる「飴と鞭」です。
 「報酬と罰」といってもいいでしょう。
 これは、スキナー(F.B.Skinner,1904-1990)という人が言い出したようです。

 学習によって習得される自発的な行動(オペラント)に対する条件づけの事を、オペラント条件づけ(Operant conditioning)とか道具的条件づけ(instrumental conditioning)と呼びます。
 この条件づけをする手段が、「強化子」なのです。
 強化子には、生理的欲求を満足させる1次性強化子と、社会的欲求を満足させる2次性(条件性)強化子があります(参照)。

 このスキナーとの論争で有名なのが人間性心理学(参照)のロジャース(Carl Ranson Rogers,1902-1987)。
 彼はこう批判したそうです。

 ヒトの心の奥に隠されている意味の世界で、人間性心理学は、行動主義者にとって意味のない問題、たとえば、目的、ゴール、価値、選択、自己認識、他者認識、私たちが自分の世界を造りあげるのに必要な個人の複合観念、意味を認知する生物体である個人がもつ現象世界の全て、を探求する。こういった世界の一部たりとも、厳格な行動主義者の眼には映らない。しかし、ヒトの行動にとって、このような要素は大切であるというのは間違いなく事実である。
(心理学を変えた40の研究―心理学の“常識”はこうして生まれた)


<強化子を用いることの問題点>

 現在の教育心理学等では、飴と鞭による方法は問題が多いとされています。
 その理由の一つ目は、報酬によって行われた行動は、報酬がなければやらなくなる(参照)点。
 二つ目は、報酬に慣れるとさらに強い報酬が必要になる点。

 負の強化子(罰)はエスカレートするが、正の強化子(報酬)は大丈夫との説もありますが、体験上も疑問があります。

 三つ目は、報酬の魅力が強すぎると、行為自体の魅力を感じにくくなる点。

 そのため、仕事自体への魅力を示していかなければならないようです(参照)。
 行為目的的にならなければいけないわけですな。

 また、動機づけ(参照参照参照)という面においても、報酬の様な強制的な外発的な動機づけより、内発的動機付けの方が長続きすると言われています(参照参照)。

<強化子を用いる理由>

 それにも関わらず、障害児・者支援の現場ではなぜ「強化子」が多用されているのでしょうか。

 そこで、障害児教育に関する古い本を読んでみました。
 手元にあったのが、1991に出版された障害児の教育心理学―子どもの心理とその指導方法という本。
 この中には、オペラント療法(operant therapy)という項目があり、オペラント法による支援が解説されています。

 古本屋で手に入れたこの本。
 1997年の山口大学図書館の返却期限票がしおりに挟まっていました。
 その頃、教科書として使われていたのでしょう。

 たまたま僕の教科書だった新版 教育心理学 (有斐閣新書)という本も、同じ1991の発行で、ちょっと親近感がわきました。

 オペラント法を使う理由についての説明は、ありませんでした。
 しかし、知的障害児への学習支援では、オペラント法が効果があると考えられていたことが分かります。

 次に、TEACCH(Treatment and Education of Autistic and related Communication handicapped CHildren)も怪しいと、1冊引っ張り出してみました。
 1999年に発行された(原著は1998年)メジボブ(Cary B. Mesibov)、アダムズ(Lynn W. Adams)、クリンガー(Laura G. Klinger)の自閉症の理解―原因・診断・治療に関する最新情報という本です。

 ここにもオペラント法という項目があり、「自閉症児者は、健常者と同じように環境を理解したり反応したりできないので、適切な強化子をみつけることが大切である。」と書かれていました。
 推測の域を出ませんが、「強化子」を用いるのも、「自閉症児者は、健常者と同じように環境を理解したり反応したりできない」からであるという事なのかもしれません。

<本当に「強化子」なのか?>

 しかし、現場ではつまらん強化子も多く見られます。
 一連の作業をすると、カール1個とかチョコレート1片とかいう小さなお菓子一かけらってパターンがよくありました。
 これって、ご褒美というより、その子にとって分かりやすいフィードバック方法と捉えるべきなのではないかという思いがありました。
 その程度であれば、エスカレートすることもあまりないようにも見られました。

 前掲の自閉症の理解―原因・診断・治療に関する最新情報をさらに読むと、認知行動的アプローチの項目には、「要求されている行動を強化し、好ましくない行動を抑制するというよりも、要求されていることが何かを理解させることに重点を置いている。」と書かれています。
 つまり、「飴と鞭」ではないという見方が正しいようです。

<「強化子」は必要なのか?>

 しかし、そういったフィードバックとしての「強化子」であってもそれほど必要なのかはよくわかりません。

 見ていると、マズロー(Maslow,A.H.1908-1970)の欲求階層(参照参照)で言う承認(尊敬)欲求(esteem needs)や自己実現欲求(self-actualization needs)が動機になっている行動も見られます。
 最近思うのは、みんな新しい事をするのは不安であり、喜びでもあるんだなぁってことです。
 別に、「強化子」がなくてもできることはたくさんあるんじゃないかなと思います。

 それは「2次性(条件性)強化子」であるという反論もあるかもしれませんが。

 確かに、他に方法がない場合は、フィードバックとしての「強化子」も取り入れるべきなのかもしれません。
 しかし、必要性はよく見極めるべきだと思います。

 「強化子」を用いて「導いて」やればよいという意見を最近聞きました。
 しかし、それが本当に本人の選んだものなのかという問いは、常に持っていないといけないのでしょうね)。

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