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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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 元々は鉄道ブログです。
 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
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就労継続B型の存在意義
 先日、様々な性的志向についての記事(参照)を読みました。
 そんなにセクト化しても仕方ないやんと思いましたが、自分と違う人と自分とは当たり前に違うってのが、当事者の感覚なんでしょうかね。

 同じ頃、客層で掲載内容を縛ることなく編集を続けている漫画雑誌の記事(参照)も読みました。
 マーケティング的なシンプルさではない混沌の世界を好む人ってのも、またマーケティングは絡めとろうとしそうな気もしますが、面白そうです。

<私たちの「顧客」>

 さて、客層と言えば、僕たち障害者福祉業界には、何種類かの「顧客」がいます。

 まずは、サービスを利用してくれる「利用者」さんたち。
 これは当たり前ですね。
 そして、その「保護者」さんたち。
 実質的に第一の顧客扱いされかねない大きな存在です。

 そして、何かを作っていたりしている場合は、そのお客さん。
 忘れがちですが、特に経営者は行政(納税者)も顧客として重視しているような気がします。

 「生産活動としての作業に基づき行われる資産の譲渡等(関連)」を行った時の収入は、「就労支援事業収支(名称はよく知りませんが)」という形で別会計で処理され、利益は全額「利用者」さんたちの間で分配されます。
 行政からの報酬等は「福祉事業活動収支(これも名称は色々あるでしょうが)」という形で別会計になっており、ここから人件費などの運営費用が出ています(参照参照参照参照)。

 ちなみに、行政からの報酬は以前「支援費(参照)」と呼ばれていましたが、今は「自立支援給付」と総称されているようです(参照)。


<私たちの法的な「使命」>

 以前も書きましたが、僕たち就労継続支援B型事業所は、法的にいくつかの目的を背負っています。

第八十六条  就労継続支援B型の事業は、利用者が自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、規則第六条の十第二号に規定する者に対して就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行うものでなければならない。
(参照)

 以前も書きましたが、僕たちは「就労の機会を提供する」とともに「その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の便宜を適切かつ効果的に行」わないといけないってわけです。

 ちなみに、規則第六条の十第二号ってのはこれです。

第六条の十  法第五条第十四項 に規定する厚生労働省令で定める便宜は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める便宜とする。
二  就労継続支援B型 通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者に対して行う就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の必要な支援
(参照)

 で、法第五条第十四項ってのはこれです。

14  この法律において「就労継続支援」とは、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与することをいう。
(参照)

 結局、法的には(雇用契約ではない)福祉的な就労の機会を提供するってことと、知識と能力の向上をさせるってのが目的なわけです。

 しかしまあ、法令の字面だけ追っていてもよく分かりません。
 厚生労働省は、以下のようにも言っています。

16 就労継続支援B型(非雇用型)
通常の事業所に雇用されることが困難な障害者のうち、通常の事業所に雇用されていた障害者であって、その年齢、心身の状態その他の事情により、引き続き当該事業所に雇用されることが困難となった者、就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されるに至らなかった者、その他の通常の事業所に雇用されることが困難な者につき、生産活動その他の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行います。
【対象者】
就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者。具体的には次のような例が挙げられます。
(1) 就労経験がある者であって、年齢や体力の面で一般企業に雇用されることが困難となった者
(2) 就労移行支援事業を利用(暫定支給決定での利用を含む)した結果、B型の利用が適当と判断された者
(3) 上記に該当しない者であって、50歳に達している者又は障害基礎年金1級受給者
(4) 上記に該当しない者であって、地域に一般就労の場やA型の事業所による雇用の場が乏しく雇用されること又は就労移行支援事業者が少なく利用することが困難と区市町村が判断した者(平成24年度までの経過措置)
(参照)

 まあ、その通りのようです。

 しかし、それだけが期待されているのでしょうか?

<私たちの政策的な「使命」>

 以前、「あわよくば「移行」させようというシステム」であると、一般就労出来そうな人には一般就労を目指させようって意図がありそうなことを書きました。

 で、今回取り上げるのは「工賃向上」です(まさかのようやく本題)。
 厚生労働省は工賃向上計画なるものをぶち上げ、就労継続事業所の工賃向上を目指しています(参照)。
 そして、各都道府県も同様に工賃向上計画を作成しています(福岡県の例)。

 そして、各就労継続B型事業所に対して工賃目標達成加算なる報酬を示し、工賃向上を図るように求めています。
 詳細は(案しか見つけられなかったので案を出しますが)以下のような感じらしいです。

・目標工賃達成加算(Ⅰ) 69単位/日(新設)
(算定要件)
①前年度の工賃実績が、原則、前々年度の工賃実績以上
②前年度の工賃実績が、地域の最低賃金の1/2以上
③前年度の工賃実績が、都道府県等に届け出た工賃の目標額以上
④工賃向上計画を作成していること
(参照)

 福岡県の最低賃金は、時給743円(参照)。
 つまり、時給371.5円以上はないといけないってことですね。

 これが達成されると、お1人が1日利用する報酬に「69単位」が上乗せされます。
 1単位の単価は障害福祉サービスの種類と地域によって異なっており、福岡県福岡市は4級地なので就労継続B型の場合は単価10.57円です(参照)。
 つまり、1日あたり729.33円。1日50人が通所したら、実に36466.5円儲かる計算になります。

 ちなみに、ⅡとⅢは次の通り。

・目標工賃達成加算(Ⅱ) 59単位/日
①前年度の工賃実績が、原則、前々年度の工賃実績以上
②前年度の工賃実績が、地域の最低賃金の1/3以上
③前年度の工賃実績が、都道府県等に届け出た工賃の目標額以上
④工賃向上計画を作成していること
(参照)

 「利用者」さん1人につき1日あたり623.63円になります。50人だと1日31181.5円。

目標工賃達成加算(Ⅲ) 32単位/日
①前年度の工賃実績が、原則、前々年度の工賃実績以上
②前年度の工賃実績が、各都道府県の施設種別平均の80/100以上
③工賃向上計画を作成していること
(参照)

 「利用者」さん1人につき1日あたり338.24円になります。50人だと1日16912円。

<私たちの「矛盾」>

 これらの要請一つ一つは、確かに重要です。
 しかし、それらすべてをすべての方に実現するのは、非常に難しい。
 なぜなら、それらの要請一つ一つは、矛盾するものだからです。

 まず、工賃向上一般就労を目指させようってのは、完全には両立しません。
 なぜなら、「必要な訓練」をして「生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力」が「向上」した利用者さんがいた方が工賃が上がるわけですが、そういった利用者さんは一般就労に近づいている可能性も高いわけです。

 また、工賃向上を目指しすぎると就労の機会を提供とか知識と能力の向上ってのが疎かになる可能性もあります。
 労働生産性が低い利用者さんにスタッフを割いて就労の機会を提供するよりは、そうでない方にスタッフを割いた方が工賃が上がる可能性が高いからです。

 それに、雇用契約を結ぶため最低賃金以上は貰える、就労継続A型の方が工賃面では有利です(関連)。

 就労継続A型が受け入れない「重度」な方々にも就労の場を提供できるとの意見が多いようですが、(熱意の差はあるかも知れませんが)生活介護の枠組みで工賃を分配する方式でいいのではないかと思います。


<矛盾に気づけない世界>

 そうした矛盾は、時に気づかれません。

 僕たちは給料がより多く欲しい。
 だから、経営者は行政からの報酬をより多く貰いたい。
 だから、政策的に要請されている工賃向上を優先させる。
 矛盾に気づく暇なんてないのです。

 経済的自立は、楽しいことです。
 働くことで自分を生かし、社会に参加することは、権利なのです。
 利用者さんたちのそういった思いはニーズ(needs)に分類され、サービス等利用計画に示され、個別支援計画に掲げられます。

 でも、それに類さない思いは、往々にしてデマンド(demand)に分類されて日の目を見ません。
 工賃向上を目指す余裕のない中では、そんなことをやっている暇がありませんから。

<また結局よくわからない>

 正直、就労継続B型は、もう就労継続A型と生活介護になっちゃえばいいyo!と乱暴に思ったりもします。

 しかし、こうなったら混沌を目指してもいいんでしょうかね。
 あらゆる利用者さんが、利用者さんに合ったあらゆる作業を、あらゆる月額工賃で行っているような。

 でもね、結論は既に出てるんですよ。
 作業のリストラクチャリング(Restructuring:再構築)を行って、収益作業に資源を集中させるってね。
 でも、そんなどこにでもある答えなら、もっと迷って出さないといけない。
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