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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
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就労継続支援A型事業の赤字
 こんな記事が出ていました。

 障害者が働きながら技能を身に着ける「就労継続支援A型事業所」について、運営者で作る団体が経営状況を調べた結果、回答した365事業所平均で就労支援事業が赤字に陥っていることが7日、分かった。
 A型事業所を巡っては、岡山県倉敷市や名古屋市で経営悪化を理由に障害者の大量解雇が相次ぎ、自治体などが受け皿確保を進めている。障害者の人数に応じて国の給付金が支給されるため、収益が確保できなくても運営を維持できる構造になっていた。
 調査は2月、NPO法人「就労継続支援A型事業所全国協議会」が約3500事業所を対象に実施。2015年度の決算について回答した事業所の平均で、就労支援事業単体の収入は約2913万円だった。一方、障害者に支払った賃金と事業経費の合計は約3701万円で、約788万円の赤字だった。
 事業所の中には、赤字を補うため国の給付金を賃金に充てていたケースもあり、厚生労働省は4月の省令改正で給付金の充当を原則禁止した。同協議会は経営の健全化に向け、マニュアル策定や優良事業所の認定などを検討している。(共同)
(障害者事業所 就労支援事業が赤字に・2017年9月7日20時45分付毎日新聞)

 非常に分かりにくい記事です。

<就労継続支援A型事業は赤字>

 以前少し書きましたが、就労継続支援事業では利用者さんが稼いだ「授産活動のみでの(参照)」会計があり、その中では「利益が利用者の工賃としてきちんと分配(参照)」されています。
 この記事で赤字だと言っているのは、この利用者さんが稼いで利用者さんたちに分配される部分です。

 それとは別に、支援者の人件費等の事業所の運営費には国からの給付金が充てられていて、別会計になっています。
 つまり、単純すぎる言い方だと、支援者の賃金を削って利用者さんの賃金に充てていたわけです。

<就労継続支援A型とはなにか>

 就労継続支援事業とは、「通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する(関連)」ものです。
 何らかの経済活動を行い、その活動の収益を前述の通り全額利用者さんたちに分配することになっています。

 支援者の給与等は、前述の通り「国の給付金」によって賄われています。

 そのうち、利用者さんと雇用契約を結ぶものを就労継続支援A型といいます(関連)。
 この記事は、そのA型事業所について書かれているもので、B型事業所は関係ありません。

<どのくらい稼げるのか?>

 雇用契約を結ぶ以上、利用者さんには都道府県の最低賃金以上の報酬を与えられるだけの収益をあげないといけません。

 ここから先は、2016年のネタ帳で書いているので、若干数字が古いかもしれません(参照)。

 例えば、福岡県の最低賃金は743円(参照)。

 実際、どの位分配されているのかを見てみましょう。
 福岡県の就労継続支援A型事業所の工賃月額の平均は、65,626円。
 就労継続支援B型事業所の平均は13,112円ですから、比較するとかなり高額です(参照)。

 ちなみに当時の全国平均は、A型事業所が69,458円。B型事業所が14,437円のようです(参照)。

 この工賃(賃金)の範囲は、「工賃、賃金、給与、手当、賞与その他名称を問わず、事業者が利用者に支払う全て(参照)」です。
 B型事業所と比較すると高額ですが、普通に働くよりかなり安いです。

 最低賃金を貰っていると仮定すると、88時間程度働いている計算になります。
 ひと月4週間と仮定すると、週あたり22時間。週5日働くと仮定すると、一日あたり4時間労働です。

 フルタイムで雇用するだけの収益があがらないため、働く(利用する)時間が制限されてしまう事があるというのは、A型事業所の現状として指摘されたりしていると聞きます(参照)。

 福岡県のA型事業所の最高額は195,144円だそうです。
 ここだと、263時間弱働けます。
 一方で、最低額は8,963円。
 12時間強しか働けない計算になります(参照)。

 ちなみにB型事業所の最高額は56,963円。
 最低額は1,131円だそうです(参照)。


<そもそも無理がある>

 結局のところ、利用者さんたちに充分に働いてもらって、充分に賃金(工賃)を受け取って貰えるだけの収益をあげるのが難しい事業所が結構あるということなのです。

 ナンダソレハケシカラン!
 そう憤る方もいるでしょうが、考えてみればそれも無理はないことです。
 そんなにお金儲けが得意な方は、好き好んで給料が安い福祉業界には就職しないでしょう。

 何言ってるんだ!儲ければ給料は上がるだろ!
 そう思った方は、もう一度この記事を読み直してください。
 収益は利用者さんたちで分配するので、収益が上がっても支援者の人件費は増えないのです。

 一応、B型事業所には目標の工賃を達成したら「国の給付金」が増える「目標工賃達成加算(参照)」という制度もあります。
 しかし、毎年増収していないと貰えない仕組みです(関連)。
 それに、加算が付いても一般企業並みに貰えている様子はありません。
 恐ろしい事に、A型事業所にはこの手の加算すらありません(参照)。

 その一方で、「目標工賃達成指導員」という仕組みもあります。
 これは、「工賃向上計画を策定し,当該計画に掲げた目標工賃の達成に向けて積極的に取り組むための指導員(参照)」を従来の支援者と別枠で雇用する仕組みです(参照)。

 目標工賃達成指導員は、目標工賃を達成するため、就労継続支援B型サービス費の基本報酬算定に要する人員(職業指導員及び生活支援員)に加えて配置することが必要であり、職業指導員等との兼務をすることはできませんが、非常勤の配置は可能となっています。
(参照)

 実は、「目標工賃達成指導員」には、「研修等の資格要件はありません(参照)」。
 「工賃目標の達成に向けて積極的に取り組むことのできる者を目標工賃達成指導員としてください(参照)」と書かれていましたが、そんなの検証しようがありません。
 恐ろしい事に、この制度もA型事業所には存在しません(参照)。

 これは、制度的におかしな気がします。
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