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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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 元々は鉄道ブログです。
 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
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岡田尊司 愛着障害 子ども時代を引きずる人々 光文社新書
 先日から読んでいた、岡田尊司 愛着障害 子ども時代を引きずる人々を読み終わりました。
 ああ、自分にも当てはまるなとか、身近な人も当てはまるなとか思いましたし、仕事上も非常に参考になる本でした。

<愛着とは何か>

 愛着(attachment)とは、「他人や動物などに対して築く特別の情緒的な結びつき、とくに幼児期までの子どもと育児する側との間に形成される母子関係を中心とした情緒的な結びつき(参照)」を言います。
 イギリスの精神科医ボウルビィ(John Bowlby,1907.2.26-1990.9.2)が確立した愛着理論によれば、「幼児は、生後6ヶ月頃より2歳頃までの期間、継続して幼児の養育者であり幼児と社会的相互作用を行い幼児に責任を持つような大人に対して愛着を示す。この時期の後半では、子供は、愛着の対象者(よく知っている大人)を安全基地として使うようになり、そこから探索行動を行い、またそこへ戻る(参照)」とされています。

 この本は、その人が子どもの頃から作り上げてきた愛着スタイルによって、成人期の対人関係や仕事の仕方、果ては人生に対する姿勢まで影響されるということがかかれた本です。
 下世話ですが、結構売れた本らしいです。

<愛着の形成>

 では、愛着はどのように形成されるのでしょうか。
 まず、愛着の対象となる人(愛着対象)は、特定の存在でなければなりません(愛着の選択制)。
 また、生後6ヶ月から18ヶ月(1歳半)の間(臨界期)に愛着対象との安定した関係が確立されていることで、愛着がスムーズに形成されると考えられています。

 こうして愛着が形成され、子どもにとって充分な安心を得られる「安全基地(Secure Base・参照)」が確保されます。
 そうすると、子どもは安心して安全基地を離れ、「探索行動(参照)」に向かえるようになります。

 この辺りは、教員免許を持っている方なら皆さんご存じの事だと思います。


<愛着行動の型>

 しかし、ストレスや不安が高まると、自分を守るために「愛着行動」が活発になります。
 この愛着行動の表れ方により、いくつかの型があることが分かっているそうです。

 まず、適度に愛着行動が増加する「安定型」と、そうではない「不安定型」に分けられます。
 「不安定型」の中には、愛着行動がほとんど見られない「回避型」、愛着行動が過剰に引き起こされる「抵抗/両価型」、一貫性のない無秩序な行動をする「混乱型」の4つが含まれるそうです。

 そして、3~4歳を過ぎた不安定な愛着状態に置かれた子どもたちは、「統制型の愛着パターン」と呼ばれる特有の方法で、周囲をコントロールしようとするそうです。
 この方法は、大きく3つに分けられるそうです。
 一つ目は、暴力や心理的優越によって相手を操作しようとする「支配的コントロール」。
 二つ目は、相手の思うように動くことで相手の感情や愛情を操作しようとする「従属的コントロール」。
 三つ目は、上記二つを組み合わせた「操作的コントロール」。

 これらは前述した通り、後天的なものだとされています。
 ただ、この本ではわずかに遺伝的要素も含まれていることも書かれています。

<親密な対人関係体験尺度>

 そういう子どもたちが成長すると、どのように分類されるのか。
 大人の愛着スタイルを判定する「親密な対人関係体験尺度(Experiences in Close Relationship scale:ECR)」では、4つのカテゴリーに分類されます。
 そのカテゴリーは、親密な関係があっても不安になる「愛着不安」と、親密な関係を避けようとする「愛着回避」の二つの因子で決定されるそうです。

 いずれも低いのが「安定型(secure)」です。
 愛着不安だけが高いのが、「不安型(anxious)」で、相手の感情に敏感だか不正確であるそうです。
 相手の感情に敏感なのは、「相手によく思われたい」とか、「愛されたい」とか、「受け入れられたい」とか、「認めてもらいたい」という思いが強く、拒絶される不安を抱えているからだそうです。
 しかし、自分が意識しているほど相手は意識していないという非対称性があるため、どうやら不正確になってしまうようです。
 そういった不安があるため迎合してしまう面があると思えば、他人への評価が極端な両価型の態度を取りがちだとされているそうです。

 愛着回避だけが高いのは、「回避型(avoidant)」で、距離を置いた人間関係を好むため、依存を嫌うそうです。
 葛藤を避けるという特徴があり、自己表現が苦手で、表情と感情が乖離しがちだとされているそうです。

 また、いずれも高いのは、「恐れ・回避型(fearful-avoidant)」です。

 一時期流行したアダルトチルドレンと、一部被ります。
 同じことを別の理論で説明しているということですかね。

 手元にある、信田さよ子 アダルトチルドレンという物語によると、アダルトチルドレンは3つのタイプに分けられているようです。

 一つ目は、「責任を負う子ども」。過剰に責任を取り、何でも自分で仕切ろうとして独走してしまい疲れるタイプらしいです。
 二つ目は、「なだめる子ども(調整役)」。困り者の役を演じ(スケープゴート役)たり、冗談を言って笑わせたり(ピエロ役)して、緊張の緩和や対立の仲裁をするタイプだそうです。
 三つ目は、「順応する子ども」。周囲に何が起こっても自分の世界を守るタイプだそうです。

 不安定型の中には自己否定感から来る自己卑下的な傾向から道化役を演じる人もいると書かれていたのですが、こちらはピエロ役に当たりますし、「順応する子ども」は「回避型」に相当しそうな気がします。


<成人愛着面接>

 養育者が心の中でどのように整理されているかを見る「成人愛着面接(Adult Attachment Interview)」では、五つに分類されるらしいです。

 まずは、安定型に相当する「自律型(autonomous)」。
 次に、回避型に相当する「愛着軽視型(dismissing)」。
 三つ目は、不安型に相当し、子どもの抵抗/両価型に対応する「とらわれ型(preoccupied)」。
 他に、「分類不能型(cannot classify)」と他との併発もある「未解決型(unresolved)」があるらしいです。

<愛着障害克服の条件>

 この本では、芸術家や学者等の例を挙げて愛着障害を克服する過程を解説しています。
 支える人を見つけられるかが鍵になるらしく、愛着不安が強すぎると、親しい人が離れていく事がありがちなので気を付けるように書いています。

 では、どのような人が良い「安全基地」として支えていけるのでしょうか。
 著者は、五つの条件を挙げています。
 一つ目は、傷つけられない「安全感の保証」。安全基地である以上当然ですね。
 二つ目は、「感受性・共感性」。
 三つ目は、「応答性」。
 四つ目は、「安定性」。
 最後は、「何でも話せる」こと。

 愛着の傷を修復するには、認知的な修正よりも幼い頃に不足していたものを取り戻すことが大切だと著者は言います。

 また、否定的な認知を脱するために、自分なりの役割を持ち、果たしていくことが大切だと言います。

<発達障害との関わり>

 この本の帯には、「本当の問題は発達よりも愛着にあった!」と書かれています。
 この本の前書きには、「愛着障害が、発達障害として診断されているケースも多い」と書かれています。
 また、パーソナリティ障害や発達障害をもつ方の問題を、愛着障害が複雑にしているとも指摘しています。

 確かに、強度行動障害(関連)をもつと分類され、自傷や他害(関連)や「パニック」(関連)の問題があるとされている方が、安心感を提供することで問題が軽減した経験を僕も持っています。
 常同行動(関連)に関しても、安心感を提供できないと増えていく傾向にあると感じます。

 どうしたら安心感を与えられるのか検討していくべきなのでしょうが、そういった経験がない方々はそういう部分を軽視しがちな感じがします(関連関連)。
 先日、昔の上司と話し合ったのですが、変わらないコアな部分を確立して、安心して貰えないと何も始まらないという話に落ち着きました。

 個別支援計画を立てる以上、何らかの成長を目指してしまうのが人情です。
 そこで、多少不安定になってもいいという考え方に抗っていかないといけないのでしょう。


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