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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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Author:therapie
 元々は鉄道ブログです。
 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
 筆者転居のため、最近は福岡市内の情報をメインに書いています。
 自分の興味が向いたものを、自分勝手に調査しています。
 今のところ、基本的に毎週日曜日に更新しています。
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ロルフ・デーゲン フロイト先生の嘘 を読んだ
 ロルフ・デーゲン(Rolf Degen,1953-)のフロイト先生のウソ(Lexikon der Psycho-Irrtümer)を読みました。

<心理療法の嘘>

 大学で心理学を学ぶ最大の欠点は、教員の主義主張によって片寄った説だけを教えられてしまうことです。
 大学を出て、自学するようになって、そう感じます。
 最近はそうでもないようですが(関連)、それはそれで面白くないかもしれません。

 それはともかく、かえって心理学者でない人が書いた本が参考になったりします。
 この本も、そんな本でした。

 まずやり玉に挙げられているのが、心理療法です。
 この項で繰り返し述べられているのは、「心理療法に偽薬(プラセボ)効果以上の効果はない」ということです。
 つまりは、意味のない治療と心理療法との効果は変わらないということです。
 神経症患者の1/3から2/3は自然治癒しているという研究結果などを挙げて、自然治癒や独力による治療や素人による治療や自助グループと効果は変わらないかそれ以下だと論じています。

 ただ、49ページで「反射傾聴療法」と名付けられたプラセボ療法は、クライエント(来談者)中心療法に外観上は似ているますし、仔細に検討する必要はあるかもしれません。
 1983年に出た、佐治守夫・飯長喜一郎編 ロジャーズ クライエント中心療法によると、クライエント中心療法においては、治療効果があるのかという研究が、ロジャーズ自身によるものも含めて行われているようです。

 人間性心理学も科学的ではない(関連)

 しかし、療法家は特定の療法しかできないという著者の指摘は、多くの場合あてはまりそうです。

 心理療法によって、現在困っている事の原因を過去や他人と捉えて本人が諦めてしまうことを、どうやら著者は問題視しているようです。
 それによって安心する人もいるでしょうから無下に否定するのもどうかと思います。
 しかし、その効果がきちんと証明されていないという指摘は受け止めなければならないのでしょう。
 「(どんな人間でも)人間には、何か問題が起きた場合に自分で自分の生活を変える能力が備わっている。」という著者の主張は、「答えはクライエント自身が持っている。」というロジャーズ(Carl Ranson Rogers,1902-1987)の言葉(関連)と近いと感じます。

 治療者たるもの、助けを求める人に対してまず最初にこの基本的真実を告げ、「あなたには自分を治す強さがあるし、そうする責任がある」と呼びかけるべきだ。

 この考えは人間性心理学のものと似ています(関連)。
 しかし、58ページにおいて「人間性の心理学に基づく心理療法」の問題点も指摘されています。

 ちなみに、アメリカの心理療法家に最も影響を与えたとされる(関連)ロジャーズの人間性心理学について言及されているのはここだけです。

 心理療法には色々流派があります(関連)が、本書では主に精神分析と行動療法と認知行動療法しか例示していません。
 ドイツ向けの本だからでしょうが、指摘自体はどの流派にも当てはまるものですから、そこは惜しいと思いました。

 ドイツ向けなので、精神分析由来の物が他にも多く俎上に上がっています。

 感情を強く刺激する思い出が特に強烈に焼き付けられるため、抑圧は存在しないとか、口唇期的性格も肛門期的性格も実証されていないとか、防衛規制(関連関連)についても投影や昇華の存在は立証されていないとか書かれていました。


<教育・マスメディア・能力開発>

 著者の主張は、教育や家庭環境やマスメディアの影響は少ないという事のようです。
 教育の項でまず語られるのは、「社会層を問わず、子どもの成人後の最終的な人格に親はほとんど影響を及ぼしていない。」ということです。
 著者は「トラウマ理論」を否定して、「恵まれた子ども時代が安定した円満な人格を作るという理論は神話に過ぎない」と述べています。
 確かに「トラウマ理論」は、結果から原因を探していると言えます。
 「成人後の人生は子ども時代の呪縛を受けているわけではない。成人後にそれを克服することも可能である。子どもには抵抗力がある。」と著者は書いています。
 親の態度が子の人格形成に影響しているというより、親の教育態度と子の気質の相互作用が行われているというのはなるほどなと思いました。

 著者が子ども時代の呪縛よりも強調しているのが、遺伝の影響です。
 多くの研究で、性格が遺伝によって決定される割合は40~50%と書いています。

 著者が繰り返し述べているのは、人間は環境に対して対抗する力があるという事のようです。
 レジリエンス(関連・本書ではレジリエンツと表記)についても触れられていました。
 また、人間のシナプスや脳内の回路の形成に臨界期(関連)はなく、脳には損害を埋め合わせる能力もあるというのも書かれていました。
 これは学生時代に聞いた気がします。

 一時期流行ったアダルトチルドレン(関連)については、とりあえず他人(親)のせいにすることで、自尊感情を取り戻そうという話だと理解しています。
 しかし、子ども時代の呪縛に意味がないならば、その根拠はなくなります。
 また、自尊感情を取り戻す意味についても後段で否定されます。

 まあ、教育関係者にとって一番影響ありそうなのは、ピグマリオン効果は誤りであるという部分でしょうか。


<自己認識と自尊感情>

 正しく自己を認識しないといけないと、僕達は一般的には考えています。
 しかし、この本によると、精神的に健康であるためには自分を欺かないといけないそうです。
 確かに常に自分の真の姿と向き合うと、かなり辛い事になりそうです。
 そうなってくると、人事面談はかなり有害ですね。

 一方で著者は、自尊感情が(実力より)高いのは有害だと書きます。
 しかしこの点は、自尊感情の捉え方が違うのではないかと思いました。
 自らの現状を受け入れられず、防衛的に自己を高く評価するのを自尊感情とは呼ばないのではないかと思うのです(参照)。

 例えば、自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic personality disorder)というものがあります。
 これは、「ありのままの自分を愛することができず、自分は優れていて素晴らしく特別で偉大な存在でなければならないと思い込むパーソナリティ障害の一類型(参照)」というものです。

自己愛性パーソナリティ障害の症状は、高い自尊心と自信を備えた個人の特徴とも似通っていると捉えることができる。そこに違いが生じるのは、これらの特徴を生み出す、基底にある心理機構が病理的であるかどうかである。自己愛性パーソナリティ障害の人物は人より優れているという固有の高い自己価値感を有しているが、実際には脆く崩れやすい自尊心を抱えている。批判を処理することができず、自己価値観を正当化する試みとして、しばしば他者を蔑み軽んじることで内在された自己の脆弱性を補おうとする。痛ましい水準の自己価値観を有する他の心理学的状態とは対照的に、自己愛的な性格を特徴づけるのはまさにこの所以である。
(参照)

 この辺りは、もう少し勉強してみないといけないと思いました。

 他にも色々取り上げられていましたが、世間で信じられているけど心理学的には一般的に否定されている物なども取り上げられていました。
 右脳と左脳の話とか、僕の学生時代から言われていた話ですし。

 あと、意識が何かしようと思った時に脳はすでに動いているため自由意思などはないため、意識は行為の原因ではなく行為に伴う付随的感情というのも学生時代に聞いた気がします。


<感想>

 心理学に限らず科学とは、観察や実験や調査等を利用して、より矛盾のない仮説を見つけ出すものだと思います。
 心理学的に正しいと言われている事は、現段階で矛盾点やより良い仮説が見つかってない仮説に過ぎないと考えます。
 そういう意味で、一つの事象を説明する仮説は心理学の中でも複数存在し得ます。
 この本で批判された事が本当に間違っているのかはきちんと検証しないといけないのでしょうし、この本で主張された事も同様に検証しないといけないのでしょう。
 そのためには、まだまだ勉強をしないといけません。
 そんな事を思いました。
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