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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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 元々は鉄道ブログです。
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暴力テレビは暴力行動を引き起こすのか(2)
 日本ビデオ倫理協会(ビデ倫)が「わいせつ図画頒布の幇助」容疑によって強制捜索を受け、審査部統括部長も逮捕された件について、事務局長を務めていた警察OBが退任したのが要因ではないかという説が流れているそうです(参照)。

 アダルトコンテンツの自主審査団体にはビデ倫のほかに映倫管理委員会(映倫:天下りあり)、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫:天下り不明)、ビジュアルソフト・コンテンツ産業協同組合(VSIC:天下り不明)、日本映像ソフト制作・販売倫理機構(JVPS、制販倫:天下り不明)、コンテンツ・ソフト協同組合メディア倫理委員会(CSA、メディ倫:天下り不明)、全日本ビデオ倫理審査会(AJVS、全審:天下り不明)、日本倫理審査協会(JEJA、日倫:天下り不明)があるそうです(参照他)。
 また、業界団体などが審査を行っている例としては、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO:天下り不明)、日本アミューズメントマシン工業協会(JAMMA:天下り不明)があるようです。

 これが本当だとしたら、本当に恐ろしいことだと思います。
 わいせつ性や暴力性というのは、人によって判断が分かれます。

 前回のつづきです。

観察学習効果

・観察学習効果とは
 テレビで示されたモデルの暴力行為を習得し、ある状況においてその暴力行為を模倣して実行することである。この影響は、短期的に暴力シーンにさらされること、及び長期的にさらされることの両方により、発現すると言われている。
 但し、この効果は、どちらかというと、実際の暴力行動を引き起こす一つの要因(contributing factor)であり、ほとんどの場合で暴力行動の唯一かつ絶対の原因ではないとも言われている。つまり、実際に暴力行動を起こした子供は、元来暴力的な素因を持っていたり、家庭や生活環境に暴力が満ちあふれている、というような他の条件を備えていることが多く、テレビの暴力シーンの視聴(及びその観察学習)は、このような子供にとって、暴力行動の一つの誘発要因にすぎないというものである。

・観察学習効果を引き起こす暴力の種類
a) 暴力によって報酬を受ける場合
b) 暴力が正当化されている場合
c) 視聴者が攻撃的モデルと同一視する場合 等

・これまでの主な研究例
 バンデューラ(1963年、1965年)、サビツキー(1971年)、スタイン(1972年)、ハンラッティ(1972年)ターナー(1973年)、ニベトン(1973年)、スライフ(1982年)等が挙げられる。
 このうち、バンデューラ(1963年)の研究の概要を以下に述べる。

【目的】
 モデルの暴力行為が報酬を受けるものと罰を受けるものとを見ることにより生じる効果の差の検証
【被験者】
 4歳前後の保育園児(男40名、女40名)
【内容】
 一方の群はモデルの暴力行為が罰を受け、他の群は暴力行為が報酬を受けるという内容の映画を見せられた。その結果、後者の場合は前者の場合よりも有意に多くの模倣的暴力が観察された。
【結論】 同一の暴力描写でもそれに対する賞罰の有無で効果が異なることが示された。

・観察学習効果の起きるメカニズムについての理論
 テレビの暴力視聴によって観察学習効果の起きるメカニズムとしては、以下の3つの理論が唱えられている。

○社会学習理論
 社会学習理論とは、人間(特に子供)は、ある反応を学ぶにあたって、直接的な経験から学ぶ場合と、メディア等を媒体としたモデル(手本)の観察といった間接的経験から学ぶ場合があるという論理を基盤としている。即ち、メディアを通して子供はどの行為が報酬を受け、どの行為が罰を受けるかを学ぶのであり、一方で人間は本能的に報酬を受ける行為を罰を受ける行為よりも好む傾向があるため、暴力を振るった加害者が報酬を受けているシーンを視聴することは、その子供の暴力的傾向を増長させるというメカニズムが働くと考えることが出来る。

○プライミング理論
 一方、プライミング理論は、メディアの効果は即時的(すぐに忘れられる)という、認知心理学で得られた論理に基づいたものである。この理論によると、人間はテレビ等のメディアであるシーンに接すると、そのシーン自体はすぐに忘れるもののそのシーンに意味的に関連する事項が短期的に脳の中で思い起こされるという、「喚起(プライミング)効果」を体験する。つまり、テレビの暴力シーンを見ると、他の暴力的なアイデアが喚起され、後の暴力的行為にさまざまなかたちで反映されることになる。
 この効果の実証実験の例としては、暴力的な漫画を見た子供は、実験者の提示した文章を完成させるという課題において、そうでない子供よりも暴力的な意味を含んだ語彙を多用する傾向にあった、というものがある。

○社会発達理論
 最後に、社会発達理論は、子供によっては暴力シーンの視聴嗜好が継続するという問題や、同じ暴力シーンを見ても環境や子供によっては同じように観察学習効果が発現するわけではない、といった現象を説明するために考えられた理論である。この理論によると、子供は、ある状況において適切な行動過程を学ぶことによって、その行動ルールを確立する。つまり、テレビで見た暴力シーンを自分で再現して試した際に、それが自分にとって適切な結果を生めば、その暴力シーンは高い評価を受け(視聴嗜好が継続し)、また暴力行為も繰り返す、という訳である。また、実際に行動に移さないような場合であっても、子供にとって暴力行為は心の中でシミュレーションされることによって保存され、更に暴力シーンを見ることによって強化されるのである。
 従って、この社会発達理論では、暴力行動と暴力シーンの関係は、社会的環境や対人的要因によって影響を受けることになり、特に重要な変数としては、1)子供の学力、2)社会における人気、3)テレビのキャラクターとの同一化傾向、4)画面上の暴力行為の現実性に対する信頼、5)暴力行為の美化傾向が挙げられている。

 うちの利用者の自閉症の方にこのような人がいます。
 自閉症の方は、表面上の通り理解するので、フィクションとか冗談とかが通用しません。
 で、暴力シーンを見た後にショックを受ける方が結構いて、知っている人に1人暴力シーンを見ると暴れてしまう方がいます。

 こういった例は、いわゆる健常者の方にも多く見られます。
 僕の親類には香港カンフー映画を見た後にカンフーをしだす奴がいて、ジャッキーチェンを見た後に必ず僕に勝負を挑んできました。
 やくざ映画がはやった頃、見終わった後肩をいからせて映画館を出てくる人が多かったといいます。

 しかしこれは、個人差があります。
 自閉症の方でも暴れるのはまれですし、僕はジャッキーを見てもカンフーしません。
 それに、大部分の人にとっては影響は短期的なものではないでしょうか?

 つまり(このような実験にありがちなことですが)、実験室を出た後、長期的にどのような影響が出るのかはこの実験では分かりません。

 そもそも、長期的にどのような影響が出るのか実験するのは倫理的に不可能です。そういった意味で、立証不可能なことです。

 昨日も言いましたが、そういった意味でカタルシス効果を否定するのなら、同様に観察学習効果も否定しなければならなくなります。

脱感作効果

・脱感作効果とは
 脱感作効果とは、テレビ暴力に多くさらされると暴力に慣れてしまい、何も感じなくなるというものである。自分自身が暴力を振いやすくなるということではないが、他の弱者が暴力を振われていても、被害者に対する同情や救済の必要性、及び加害者に対する怒りを感じなくなり、傍観するだけとなる。
 この効果は、どちらかというと(短期的というよりは)長期間暴力シーンにさらされることによって、発現されやすくなるとされている。

・脱感作効果を引き起こす暴力の種類
a) 暴力が頻繁に描写されていること(刺激接触頻度)
b) 視聴環境がくつろいだ(弛緩)状態であること
c) 脱感作を引き起こしやすいタイプの番組(さらなる研究が必要) 等

・これまでの主な研究例
 ラザラス(1962年)、バーガー(1962年)、エイブリル(1972年)、クライン(1973年)、ドラブマン(1974年)、トーマス(1975年、1977年)らの研究がある。以下においては、ドラブマンの研究の概要について述べる。

【目的】
 暴力番組視聴は実生活における暴力に対する寛容度を助長し、現実の暴力事件を見てもそれを助ける意志を減少させるという仮説の検証
【被験者】
 小学3年生と4年生の44名(男22名、女22名)
【内容】
 銃撃戦、射撃、素手のけんかのシーンを含む西部劇を見せる実験群と映画を見ない対象群とにわける。その後被験者を他の2人が遊んでいる別の部屋に入れる。そこで2人の子供がけんかを始めた時、被験者がどのような行動をとるか観察する。
【結論】
 暴力シーンを見た実験群は対象群に比べ、けんかが始まったことを大人に知らせた子供の割合は少なかった。暴力番組に接した子供たちは暴力に対する脱感作現象が生じ、口論が始まっても大したことではないと思い、大人に知らせた子供の割合が少なくなってしまったと解釈できる。

 これって、この記述だけでは寛容度が増したのか恐怖が増したのか分かりませんよね。
 それに、1人1人がそうなったのか場の雰囲気としてそうなったのかも検証しないといけないでしょう。
 つまり、この実験も長期的な影響については何ら証明できていません。

 これについても立証不可能なので、カタルシス効果同様の結果になるべきでしょう。

 どこかでこの「脱感作効果」が否定されたという記述を見ましたが、どういう形で否定されたのかは知りません。


カルティベーション効果

・カルティベーション効果とは
 この効果は、テレビ世界と現実との混同が生じ、必要以上に危険感と恐怖感が増加することを指す。自分自身が暴力を振いやすくなるということではないが、テレビの暴力シーンと青少年への影響に関する研究における大家であるガーブナー教授は、観察学習効果よりも、むしろこの効果の大きさを指摘し続けている(彼はこの効果を"mean world syndrome"即ち「世間は悪意に満ちていると思いこむ効果」と称している)

・カルティベーション効果を引き起こす暴力の種類
a) 実生活の中で得る情報とテレビ情報が一致し、メッセージ内容を強化する場合
(共鳴現象)
b) リアリティの高い暴力や犯罪への恐怖を植え付けるタイプの番組(さらなる研究が必要) 等

・これまでの主な研究例
 ガーブナー(1976年)、ウォーバー(1978年)ドーブ(1979年)らの研究があるが、ここではガーブナーの研究の概要を述べる。

【目的】
 暴力が頻繁に描写される番組を常に視聴していると、テレビの世界では、暴力は身近なものだという認識を持つようになるが、やがて、それをそのままテレビを離れた現実世界についても当てはめてしまうようになるという仮説の実証
【被験者】
 男87名、女95名
【内容】
 暴力に巻き込まれる率、法律の執行にかかわる仕事をしている人の割合、人々に対する信頼度についてテレビ重視聴者(1日4時間以上テレビを視聴する人)と軽視聴者(1日2時間以内テレビを視聴する人)に質問した。
【結論】
 重視聴者の方が現実世界での暴力について過大評価された考えを持っている。したがって過度な暴力番組視聴が人々の危険感と不安感を増加させる可能性がある。
(参照)

 これは、 原因と結果が逆の理論も成立します。
 つまり、「現実世界での暴力について過大評価された考えを持っている」人がテレビをよく見るということです。
 実際、テレビしか娯楽がないということは、経済的に恵まれていないことを意味します。
 経済的に恵まれない人が多く集まる地域は、治安が悪いとされています。
 それに、治安が悪い地域だとちょっと出かけるのも大変ですからテレビの視聴時間が長くなるかもしれません。
 もし、テレビを多く見ている人は治安の悪い場所に住んでいるのならば、暴力について過大評価するのは無理のないことではないかと考えます。

 この因果関係については、倫理上以前に実験は困難であると思われますので、カタルシス効果以上に否定しなければならない理論なのかもしれません。

 そもそも、これがあるとすれば社会は暴力で満ちているという論調の報道が真っ先に規制されるべきだと言われかねません。
 もう少し報道機関は反論を考えた方が良いのでは?

 しかし、例示された実験がどれも1960年代~70年代なのには何か意味があるのでしょうか?


【2008年6月10日追記】
 5月13日付CNET News.comによると、「暴力的なゲームを体験した子どもは日常世界でも暴力的な振る舞いをするということを示すデータは得られなかった」とするハーバード大学の2名の心理学者による発表があったそうです。
 この実験は、ハーバード大学のLawrence Kutner氏とCheryl Olson氏が行ったもので、「150万ドルの予算で2004年に開始した」そうです。
 具体的には「約1200人の子どもを相手に『Grand Theft Auto』などの暴力的なゲームと、『The Sims』などのそれほど暴力的ではないゲームを体験させ、その後の振る舞いを調べた」ようです。
 結果としては、「暴力的なゲームをプレイすることはほとんどの子どもにとって、ストレス発散に過ぎないとの結論に達している。もちろん、暴力的なゲームを数時間プレイした後に遊び半分の攻撃性を見せた子どもも中にはいたが、武道アクション映画を観た後の子どもが見せる反応と同じレベルだった」そうです(参照)。
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