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自閉症について(7)~ICD-10における広汎性発達障害
 まあまずは軽くICD-10(参照)における「広汎性発達障害(Pervasive developmental disorders)」の診断基準を見てみたいと思います。

 って、いいかげん同じイントロに飽きてきたなぁ。


F84 広汎性発達障害 Pervasive developmental disorders

 相互的な社会関係とコミュニケーションのパターンにおける質的障害,および限局した常同的で反復的な関心と活動の幅によって特徴づけられる一群の障害・程度の差はあるが,これらの質的な異常は,あらゆる状況においてその患者個人の機能に広汎にみられる特徴である.多くの場合,幼児期から発達は異常であり,ほんのわずかな例外を除いて,この状態は生後5年以内に明らかとなる.常にではないが通常は,ある程度の全般的認知機能障害がある.しかしこの障害は個人の精神年齢(遅滞のあるなしにかかわらず)に比較して偏った生動によって定義される.広汎性発達障害の群全体の下位分類については,多少の見解の不一致がある.

 一部の症例では障害は,いくつかの医学的な病態に伴っているか,あるいは原因となっているようで,そのうちでは乳幼児けいれん,胎児性風疹,結節性硬化症,脳リピドーシス,脆弱Ⅹ染色体異常が最もふつうである.しかしながら,この障害は合併する医学的な病態のあるなしにかかわらず,行動的特徴に基づいて診断すべきである.しかし,この病態は別にコード化しなければならない.もし精神遅滞が存在するなら,それは広汎性発達障害に普遍的な特徴ではないので,別にF70-F79にもコードすることが重要である.

 小児自閉症アスペルガー症候群以外の広汎性発達障害の診断基準についても引用しておきます。

F84.1非定型自閉症 Atypical autism

 発症年齢の点か,あるいは診断基準の3つの組合せすべてを満たさない点で,自閉症とは異なった広汎性発達障害.したがって,発達の異常および/または障害が3歳を過ぎてからはじめて現れるものか,および/または,自閉症の診断に要求される精神病理の領域のすべて(すなわち,相互的な社会的関係,コミュニケーション,そして限局した常同的な反復行動)のうち,1つないし2つの領域において十分に明白な異常を欠いているものの,残りの領域では特徴的な異常がみられるものである.非定型自閉症はきわめてしばしば重度の精神遅滞のある小児で認められるが,これは機能水準が非常に低いため,自閉症の診断に要求される特異的な偏った行動を示す余地がほとんどないためである.また,これは言語受容の重篤な特異的発達障害をもつ小児に出現する.したがって非定型自閉症は自閉症とは区別される状態を構成すると考えられる.

<含>非定型小児精神病

   自閉的傾向を伴う精神遅滞


F84.2 レット症候群 Rett's syndrome

 これまで女児のみに報告されている原因不明の病態で,特徴的な発症,経過,症状パターンに基づいて鑑別されてきた.初期には一見正常あるいは正常に近い発達の後,獲得していた手先の技能や言葉が一部あるいは完全に喪失し,それとともに頭囲の増加が減速するもので,通常生後7~24カ月の間に発症するのが典型的である.手をもむ常同運動,過呼吸および目的をもった手の運動の消失が特徴的である.社会性および遊びの面での成長は最初の2,3年で止まるが,社会的な関心は保たれる傾向にある.小児期中期には,側背あるいは後側弯に伴って躯幹の失調や失行が出現する傾向があり,時には舞踏病アテトーゼ様の運動が認められる.常に重度の知能障害にいたる.小児期早期あるいは中期に,しばしばてんかん発作が出現する.

診断ガイドライン

 症例の大多数は生後7~24カ月の間に発症する.最も特徴的な症状は,目的をもった手の運動と獲得していた繊細な運動操作力の喪失である.これは以下のものを伴う.すなわち,言語発達の一部の喪失あるいは欠如,特有の常同的なねじるような手もみ運動,あるいは胸や顎の前で両腕を屈曲させた"手洗い"運動,常同的に唾液で両手を濡らす行為,食物の適度な咀嚼の欠損,頻回な過呼吸のエピソード,大小便のコントロールの獲得にはほとんど常に失敗すること,しばしばよだれを過剰にたらして舌を過度に突出したりすること,社会生活への関わりの喪失.典型的には,小児は幼児期に,人びとを見ながら,あるいは「心を見抜くように」見ながら,一種の「社交的微笑」をすることは保たれているが,人びとと社会的な関わりをもつことはない(社会的関わりはしばしば後になって発達するようになるが).両足の位置と歩幅は広くなりがちで,筋トーヌスは低く,通常,躯幹の運動は協調性が悪くなり,側考あるいは後側弯になる.約半数の症例では,青年期あるいは成人期に,重度の運動機能障害を伴った脊髄の萎縮を来すようになる.その後,通常上肢よりも下肢に著しい強剛性痙縮が出現する.てんかん性発作は大部分の症例に起こり,通常何らかの型の小さな発作を伴い,一般に8歳前に発症する.自閉症と対照的に,故意の自傷や複雑な常同的な運動への没頭あるいは決まりきった習慣はまれである.

【鑑別診断】レット症候群は,初期において主に目的をもった手の運動の欠如,頭因の増加の減速,失調,常同的な「手洗い」運動,適切な咀嚼の欠如に基づいて鑑別される.診断は進行性の運動機能の低下という障害の経過から確定される.


F84.3 他の小児期崩壊性障害 Other childhood disintegrative disorder

(レット症候群以外の)広汎性発達障害で,機能における特徴的異常の発症とともに,社会的機能,コミュニケーション機能,および行動障害の発症に先立って明らかな正常の発達期間が存在すること,そして明らかに数カ月にわたって,以前に獲得された能力が,少なくともいくつかの領域において,喪失していることによって定義される.しばしば漠然とした疾病の前駆期がある.言うことをきかなくなり,いらいらし,不安で過勤を示す.そのあと興味の貧困化が起こり,続いて行動の崩壊を伴って言語喪失が起こる.一部の症例では(障害が進行性の診断可能な神経学的病態と関連しているとき)技能の喪失は常に進行性であるが,多くの症例ではしばしば数カ月にわたる悪化ののち進行が停止し,その後平衡状態,それから限局性の改善をみる.予後は通常非常に悪く,大多数に重度の精神遅滞が残る.この病態が自閉症とどの程度異なるかは不明である・障害が脳症に伴って起こると考えられる症例もあるが,診断は行動面での特徴に基づいて行うべきである・神経学的病態を伴うときは,別に分類すべきである.

診断ガイドライン

 この診断は,少なくとも2 歳まで外見上は正常に発達したのち,それまでに獲得した技能が明らかに喪失したことに基づいてくだされる.この障害は質的な社会機能の異常を伴っている.重篤な言語の退行,あるいは言語喪失,遊び,社会的技能および適応行動のレベルの退行が通常みられ,時に運動統制の解体を伴う大小便のコントロールの喪失がしばしば起こる.典型的には,これに周囲への全般的な関心喪失,常同的で反復性の奇妙な運動,および社会的相互関係とコミュニケーションに関する自閉症に似た障害が付随する.ある点でこの症候群は成人期における認知症と似ているが,以下の3つの主な点でそれと異なる.(通常ある型の器質的脳機能障害が推定されるが)同定可能な器質的疾患や障害の証拠が認められないことがふつうである.技能の喪失の後,ある程度の回復のみられることがある.そして社会性およびコミュニケーションの障害は,知的低下というよりも,自閉症に典型的にみられる質的偏りである.これらの理由すべてから,この症候群はF00-F09 ではなく,ここに含められる.

 〈含〉幼児性認知症

    崩壊性精神病

    ヘラー症候群

    共生精神病

 〈除〉てんかんに伴う後天性失語(F80.3)

    選択性緘黙(F94、0)

    レット症候群(F84.2)

    統合失調症(F20.-)


F84.4 精神遅滞[知的障害]および常同運動に関連した過動性障害 Overactive disorder associated with mental retardation and stereotvoed movements

 これは疾病論的な妥当性が確定していない,定義の不十分な障害である.このカテゴリーがここに含まれるのは以下の理由による.重度の精神遅滞を伴う小児(IQ50以下)で,多動や注意に大きな問題を呈し,しばしば常同行動を示す.このような小児は(IQが正常な者とは異なり)中枢神経刺激薬が奏効しない傾向があり,刺激薬を与えられると(時に精神運動制止を伴い),重篤な不機嫌反応を示すことがある.青年期になると,過動性は活動低下に置き換わる傾向がある(これは正常知能の多動児には通常みられないパターンである).この症候群は,特異的であれ全般的であれ,さまざまな発達の遅れを伴っているのがふつうである.

 行動のパターンが,どの程度まで低いIQのためか,器質的脳損傷のための関数かは不明である.また,中等度の精神遅滞を伴い,多動症候群を呈する小児の障害をここに含めるべきか,F90.-に含めるべきか明確ではない.現段階では,それらはF90.-に包含される.

診断ガイドライン

 診断は発達上不相応な重篤な過勤,常同運動,および重度精神遅滞の組合せによってくだされる.診断のためには,これら3つすべてが存在しなければならない.もしF84.0,F84.1あるいはF84.2の診断基準を満たすなら,代わりにそれらの病態と診断するべきである.

F84.8 他の広汎性発達障害 Other pervasive developmental disorders

F84.9 広汎性発達障害,特定不能のもの pervasive developmental disorder, unspecified

 これは残遺診断カテゴリーで,広汎性発達障害の一般的記載に合致するが,十分な情報を欠いたり,矛盾する所見があるために, F84の他のコードのいずれの診断基準も満たしえない障害に対して用いられるべきである.

F88 他の心理的発達の障害 other disorders of psychological development

(含)発達性失認

F89 特定不能の心理的発達の障害 unspecified disorder of psychological development

(含)特定不能の発達障害


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Keyword : 福祉 心理学 広汎性発達障害

テーマ:発達障害 - ジャンル:福祉・ボランティア


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