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元々鉄道ブログですが、福岡県古賀市、新宮町、福津市の情報に移行、その後福岡市近郊の情報に寄り道した後、心理学と障害者福祉に関心を移しています。
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福岡市の都市水害対策
 ああいった水害が起こった直後ですが、福岡市の都市水害対策はそれほど遅れているわけではありません。
 古い記事ですが、お読みください。

【県】「はんらんの危険ない」  【福岡市】整備遅れ「なお注意を」

 梅雨や台風シーズンが近づいてきた。福岡市のJR博多駅周辺は「水に弱い街」という印象が強いが、御笠川下流部の改修工事が終わり、県は「はんらんの危険はなくなった」と発表した。ところが、市はなお「十分注意して」と呼びかけている。受け持っている御笠川に流れ込む雨水管などの整備が遅れているためだ。いったい、安心していいのか、自衛策を講じたほうがいいのか。
(神崎卓征)

 本格的な水害対策は、博多駅も冠水した99年の福岡市水害をきっかけに始まった。大動脈の御笠川は県、毛細血管のように巡らされた水路や地下埋設管は福岡市、と役割を分担。交通の拠点が集まり、地下街も多い博多駅周辺の300ヘクタールを優先的に整備してきた。
 御笠川の改修では、川幅を拡幅し、川底も掘って容量を広げた。また、コンクリート堰を可動式に変え、橋も水の抵抗の少ないタイプに掛け替えた。03年に再び水害に見舞われたことから、その規模の豪雨でも耐えられるよう基準を引き上げている。
 県の担当者は「工事半ばの上流はまだ洪水の危険が残るが、博多駅周辺の雨水はスムーズに海に流せるようになった」と話す。
 河口から上流にかけて視察した麻生渡知事は、16日の記者会見で胸を張った。「今年も梅雨が近づいたが、03年と同規模の豪雨が起きてもはんらんの危険はなくなった」

□          ■          □

 これに対し、市の担当者は「今の段階では99年と同規模の豪雨にも耐えられないかもしれない」と自信なさげだ。
 市の対策は、雨水を地下にためる計画と、ためた水を御笠川に強制排水する計画の二本柱だ。
 ためる計画では、直径2~5メートルの貯水管を約2キロにわたって埋設。ポンプ場に流す直径1・8~2・8メートルの雨水幹線も新設し、完成すれば計約3万トンの水を一時的に管内に蓄えることができる。御笠川に面した山王公園にも雨水調整池を造り、豪雨時には約3万トンをためることができる。歩道の舗装や側溝を、雨水が地下にしみこみやすくする計画もある。
 だが、完成したのは雨水調整池だけで、雨水幹線は730メートル分が施工中、貯水管は設計すら手を着けていない。
 強制排水設備の整備も遅れている。ポンプ施設を2カ所新設する計画だが、完成したのは1カ所で、ほかに既存の1施設を増強しただけ。ポンプ能力を毎秒23トンから49トンに引き上げる計画だが、現状では毎秒25トンにとどまっている。

□          ■          □

 なぜ、県と市でこれほど差が出るのか。
 「市の工事は、都市機能も維持させながら行う必要がある。県のように掘って終わり、というわけにはいかない。時間がかかるのはやむを得ない」。市の担当者はこう説明する。
 市の工事は、ほとんどが都市の中心部が対象となる。このため、道路を広範囲にわたって通行止めにすることも多く、住民や企業の理解も欠かせない。地下を掘るため、大規模かつ複雑にもなる。
 こうしたことから、計画が完了するのは、早くても7~8年後の見通しだという。市博多駅地区浸水対策室の担当者は「当面の間は洪水の際に避難する場所を確認し、雨の際には気象警報に十分注意するようにしてほしい」と話している。

【博多駅周辺の水害対策目標値】
 
■福岡県=御笠川河口部の流量(毎秒、トン)
  99年以前         450
  99年水害(実績)     730
  03年水害(実績)     890

■福岡市=時間雨量(毎時、ミリ)
  99年以前(5年確率)  52.0
  99年水害(10年確率) 59.1
  03年水害(実績)    79.5

※「実績」はその水害時の数値に耐えられることを目標にしたという意味
(水害警戒に落差 博多駅周辺御笠川改修終了・2005年05月23日付朝日新聞)


<それから4年経ちました・・・>

 その記事から4年。このたびの水害を受けて今度は西日本新聞の記事です。

 九州北部で死者5人、行方不明者2人を出した豪雨は、福岡市の都心でも道路冠水や店舗への浸水などの被害をもたらした。飲食店などは土のうを積み、バケツで水をかきだすしかなく、水害へのもろさを露呈した。梅雨前線は8月以降も九州付近に停滞するという見方もあり、再び、いつ同じような事態に見舞われてもおかしくない。行政や住民は、防災の基盤整備への課題を突きつけられた。
 今回の豪雨は、福岡市の都心・天神地区で道路冠水や店内浸水の被害が目立った。市は、近年2度の大規模な浸水被害に見舞われ、1999年には死者1人が出たJR博多駅地区を優先して整備を進めてきた一方、天神では緒に就いたばかり。「財政も厳しく一気に改善はできない。記録的豪雨になればどうしようもない」(防災・危機管理課)と頭を抱えている。
 天神地区の一角、店内浸水の被害が出た今泉では25日朝から、商店主や従業員が後片付けに追われた。地下の店舗に勤める美容師の浜崎純次さん(25)は「以前も浸水に遭い、用意していた土のうを積んだり水をくみ出したりしたが今回も防げなかった。住民の力だけでは難しい」と話した。
 市は、99年に1時間最大雨量79.5ミリを記録した豪雨を機に、それまでの水準を改め、「10年に1度の大雨」とされる59.1ミリまで対応できるよう浸水対策事業を計画した。特に博多駅では2003年にも多大な浸水被害が出たことから、99年豪雨の79.5ミリに水準を再度引き上げ優先的に事業を進めてきた。
 その総事業費は約350億円。雨水幹線・貯留管、約2万8000トンの雨水をためる公園調整池の新設などで、13年度完了を目標に事業費ベースで66%が整備済み。県も御笠川のしゅんせつや川の拡幅事業などをしており、今回博多駅では過去2度に比べて被害が少なかったとの見方がある。
 半面、天神地区は本年度、ようやく事業に着手する。15年間で約150億円をかけ、当面は59.1ミリ対応を目指して雨水幹線などを新たに整備し、将来79.5ミリにするとしているが、完工時期は未定。道路下水道局事業調整課は「ガス管や地下鉄が通る都心部の地下を掘るには時間も予算もかかる」という。
(浸水対策 遅れる天神 2回被害の博多駅優先 福岡市 財政厳しく限界も・2009年7月26日付 西日本新聞朝刊)

 福岡市役所の言っていることは4年前とあまり変わりません。
 この度の水害が契機になってうまい具合になっていけばいいのですが・・・。

<福岡市の都市水害と対策の歴史>

 福岡で都市型水害対策が課題になったのは、記事にあるように1999(平成11)年の水害がきっかけのようです。
 当時は関東でも誰か亡くなったんじゃなかったでしたっけ?

 1999(平成11)年6月29日。総降雨量136.0㎜、時間最大降雨量79.5㎜という集中豪雨によって3000戸を上回る床上・床下浸水被害が市内各所で発生しました。
 地下室にいてなくなった方が出たのもこの水害です。
 一般的には博多駅が水没した映像で知られる水害です。

 これを契機に翌2000(平成12)年に福岡市雨水整備緊急計画(雨水整備Doプラン)を福岡市役所は策定します。
 これにより、地域を重点化して緊急的に取り組む雨水整備計画を策定したのです。
 ちなみにこれは、国の基準である5年に一度ではなく10年に1度の大雨(59.1mm/時間)にも耐えられるという厳しい基準だったようです。

 ところが2003(平成15)年7月19日。前回と同じ御笠川上流に大雨が降ります。
 太宰府市で日総降雨量315.0㎜、時間最大降雨量104.0㎜の観測史上1位の豪雨を記録されました。
 これによって2級河川御笠川が氾濫したことなどで、博多区を中心に1700戸を上回る床上・床下浸水被害が発生したようです。

 前回以上の降雨量があったため、計画は見直しを迫られました。
 そこで翌2004(平成16)年に今度は博多駅地区緊急浸水対策事業(雨水整備レインボープラン博多)を福岡市は策定しています。

 これは、博多駅周辺地区に関しては前回よりもさらに基準をあげ、1999(平成11)年の実績降雨(79.5mm/時間)に対応したのだそうです。

 この年には博多駅周辺の下水道を雨水と下水が一緒に流れる合流式から別々に流す分流式に変更する合流式下水道緊急改善計画が策定されています。
 また、福岡市で初めて板付北小学校に雨水貯留施設が設置されました。

 2006(平成18)年には博多区の山王公園に雨水貯留施設が設置されています(参照)。

<福岡市雨水整備緊急計画(雨水整備Doプラン)と博多駅地区緊急浸水対策事業(レインボ-プラン博多)の現状>

 福岡市雨水整備緊急計画(雨水整備Doプラン)では、先に書いたとおり2006(平成18)年5月に博多区山王公園野球場を掘り下げた山王1号雨水調整池(貯留量約1万3000m3)とグランド地下に作られた山王2号雨水調整池(貯留量約1万5000m3)が完成しています。
 で、2007(平成19)年度の進捗率は70%だそうです。

 また、国土交通省が月隈調節池(下池)なるものを作っているらしく、こちらは約14万2000m3の容量で2008(平成20)年度完成予定だったようです(参照参照)。

 なお、計画によると重点整備地区は59地区。
 2007(平成19)年度末にはそのうちの52地区の整備に着手しているそうで、着手済みのうち23地区の整備は完了しているとのことです。

 当時完了していた23地区は、東区の西戸崎、香椎、水谷・松崎・若宮、名島、土井、原田、馬出(1)。
 博多区の浦田、竹下。
 中央区の小笹。
 南区の塩原、五十川、大橋、若久、中尾、長住、太平寺、日佐・警弥郷。
 早良区の室見、原、野芥。
 西区の上山門、生の松原です。

 当時整備中だった29地区は、東区の高美台、多々良、馬出(2)、筥松。
 博多区の千代、吉塚・堅粕、博多駅周辺、住吉・美野島、半道橋、那珂(1)、東那珂、板付、諸岡、南八幡。
 南区の井尻(1)、井尻(2)、寺塚。
 城南区の鳥飼、別府、田島、七隈。
 早良区の西新、百道、城西、昭代、干隈。
 西区の姪浜、小戸、周船寺となっていたようです。

 最後に当時未着手だった7地域は、東区の和白丘、多の津。
 博多区の那珂(2)。
 中央区の天神・今泉、春吉、警固・薬院、平尾だったようです(参照)。

 確かに天神周辺地区の対策は遅れ気味だったかもしれません。

<御笠川河川激甚災害対策特別緊急事業>

 それと同時に、河川改修も進められました。

 御笠川河川激甚災害対策特別緊急事業(参照参照)は1999(平成11)年度着手し、2007(平成19)年度に完成したのだそうです。

 この事業の全体事業費は、446億円(最終変更額予定404億円)(参照)。

 ただ、これは御笠川だけなんですよね。
 福岡市には大きな川がなく、あまり水害は起こらない土地でした。
 ですから、治水という面ではそれほど予算が来なかったのかなぁとも思います。

<全国的にはどうなのか>

 これだけやっているわけですが、全国的にはどうなのでしょうか。
 そこで探してみると、下水道の現状と課題という文書の中に下水道による都市浸水対策の状況というグラフがありました。
 ただし、この数値は2004(平成16)年度末ですから、現在の福岡市はこれより上がっていなければおかしいです。
 また、福岡市の基準はこの表よりも厳しいはずですので、この表の通り安全なのかは保証できません。


京都市88.0%
名古屋市87.8%
大阪市86.9%
東京都区部84.2%
札幌市83.2%
福岡市79.1%
千葉市71.3%
神戸市70.4%
北九州市63.6%
横浜市58.8%
広島市58.5%
仙台市55.1%
川崎市53.2%
さいたま市48.2%
政令市平均73.2%

※ 5年に1回程度の大雨に対して安全であるように整備された地域の割合

(下水道の現状と課題)


 また近い資料では2007(平成19)年度末の浸透管と浸透ますの整備量比較がありました。
 浸透管と浸透ますというのは、雨水を流す管などにに穴をあけて地面に水を逃がすものです。

 福岡市の場合、浸透管はまったく手付かずでした。
 当時は札幌市、千葉市が多く、名古屋市、川崎市、新潟市に少しある感じです。
 また、浸透ますは約3000基程度のようでした。
 これは、横浜市、新潟市、仙台市に次ぎ千葉市と同程度のようです(参照)。

 ただ、千葉市が出した資料なので、千葉市が取り組んでいない他の対策については分かりませんでした。

 今回の豪雨は114mmだったと言います。
 国の基準はもとより、福岡市の基準をも上回る降雨量です。
 ただ、今回博多駅は水没していないようですので、やった方がいいのは明らかでしょう。

 これからも頑張ってくださいと上から目線ですいませんが期待しています。

 ただ、最悪死者が出ないためには、僕たち一般市民ができることもあるような気がします。

【2010年2月9日追記】

 このような記事が出ていました。

 福岡市は8日、昨年7月の集中豪雨で床上浸水などの被害が相次いだ天神地区(中央区)について、本年度から15年計画で進めている浸水対策事業計画を見直し、5年前倒しして2018年度に完了させる方針を明らかにした。
 天神地区では「10年に1度の大雨」とされる1時間最大雨量59・1ミリに対応させようと、雨水を流したり一時的にためる雨水幹線・貯留管▽排水するポンプ場▽地中に浸透させる側溝‐の整備事業がスタート。約6万立方メートルの雨水を、地上にあふれさせずに地下貯留できるようにする。総事業費は約134億円で、23年度の完了予定だった。
 だが、福岡空港(博多区)で同116ミリを記録した昨夏の豪雨では、天神地区でも今泉を中心に店内浸水の被害が大きかったことに加え、市議会からも「『大雨に弱い都市』とのイメージが定着すると、観光客やコンベンションの誘致に支障が出る」など、対策強化を求める声が出ていた。
 市は、1999年、03年に大規模な浸水被害に遭ったJR博多駅地区(同)では、優先的に浸水対策事業を進めて効果が出ていることも踏まえ、大幅な前倒しを決めた。
 新たに中間ポンプ場1基を設置するほか、雨水幹線・貯留管の発注を前倒しし、現計画より5年早い18年度で完了させる。事業途中での貯留量も追加新設する中間ポンプ場の稼働で使用できる雨水幹線・貯留管を増やすことにより、当初計画の13年度時点約1万3千立方メートルから、15年度時点で約2万8千立方メートルに引き上げる。
 総事業費は約5億円増えて約139億円の見通し。将来的には、99年豪雨で降った同79・5ミリ対応を目指す。
(天神地区 浸水対策 5年前倒し 18年度完了 福岡市 中間ポンプ場新設・2010年2月8日付 西日本新聞夕刊)

「『大雨に弱い都市』とのイメージが定着すると、観光客やコンベンションの誘致に支障が出る」ってのがちょっと市議会の意見としてはアレですが・・・。

 ちなみに、本文中にでていた都市浸水対策達成率ですが、さらに古い平成14年度末(参照)と平成17年度末(参照)の数字がありました。
















平成14年度末平成16年度末平成17年度末
札幌市81.6%83.2%84.1%
仙台市64.7%55.1%55.6%
さいたま市--48.2%41.1%
千葉市76.7%71.3%71.9%
東京23区83.5%84.2%84.4%
横浜市72.6%58.8%59.3%
川崎市50.1%53.2%53.7%
静岡市----48.0%
名古屋市84.8%87.8%90.2%
京都市87.4%88.0%88.6%
大阪市86.8%86.9%87.3%
神戸市71.5%70.4%71.0%
広島市55.0%58.5%59.9%
北九州市58.3%63.6%64.8%
福岡市89.8%79.1%84.0%
政令都市平均76.9%73.2%73.1%

 なぜか平成14年度末より平成16年度末の方が下がっている都市が多いです。
 範囲が広がったのでしょうか?

 ちなみに全国の下水道総合浸水対策緊急事業の対象地域はこちらのようです。
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