湾鉄調査部
興味ある事を興味あるままに調査しています
広告


プロフィール

therapie

Author:therapie
 元々は鉄道ブログです。
 と言いつつ、福岡市北郊にある新宮、古賀、福津の情報をメインに書いていました。
 筆者転居のため、最近は福岡市内の情報をメインに書いています。
 自分の興味が向いたものを、自分勝手に調査しています。
 今のところ、基本的に毎週日曜日に更新しています。
 お問い合わせはメールフォームからお願いします。



最近の記事



カテゴリ



最近のコメント



最近のトラックバック



ブログ内検索



月別アーカイブ



RSSフィード



リンク


ブログパーツ類
あわせて読みたいブログパーツ

にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ
にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村 鉄道ブログへ

ジオターゲティング


検索






Join the Blue Ribbon Online Free Speech Campaign


性犯罪被害者の心理と支援
 先日銀行で新聞を読んでいたら、社説に性犯罪被害者について出ていました。

 福岡県で飲酒運転、発砲事件と並び全国的に発生件数が多いのが性犯罪だ。2011年に届け出があった強姦(ごうかん)や強制わいせつ事件は550件に上り、大阪、東京に次ぎ全国で3番目だ。
 汚名返上とばかり、福岡県警は今春の定期異動で専従捜査を行う「性犯罪対策室」を新設した。殺人事件を担当する捜査1課内に計14人を配置、経験豊富な捜査員を集めて被害防止と事件の早期解決を図るという。成果に期待したい。
 こうした中、気になるデータが内閣府の「12年版犯罪被害者白書」で明らかになった。性暴力を受けた被害者の67・9%と7割近くが、周囲に相談できずに「泣き寝入り」している-というのだ。
 性犯罪対策では、事件防止とともに被害者への対応も重要となる。心にも深いダメージを負っているからだ。何げない言動による「二次被害」を生まないような配慮が警察などには求められよう。
 白書では、無作為に抽出した20歳以上の男女計5千人を対象に昨年度実施した調査の結果を紹介している。
 回答した女性1751人のうち、7・6%の134人が「性的な関係を強要された経験がある」と答えている。しかし、この中で「家族も含めて相談したことがある」のは28・4%にとどまった。05年度調査では35・1%だった。08年度は31・7%に減り、今回さらに低下した。
 相談できなかった理由は「恥ずかしくて言えなかった」が46・2%と最も多く、「思い出したくなかった」「我慢すればいいと思った」との声も目立つ。
 相談先をみると、友人・知人や家族、親戚が大半で、警察やそれ以外の公的機関はわずかだった。被害者が「泣き寝入り」しないためには、やはり警察などのサポートが欠かせない。
 「被害者が信頼して駆け込める場所をつくってほしい」。白書には、被害に遭った女性の悲痛な叫びが伝わる手記も掲載されている。心に傷を負った後も、警察署で被害状況を再現するよう求められ、「誰も今の本当の私を知ろうとしてくれない」と絶望的になったという。
 国は、性犯罪被害者の精神的苦痛を軽減することを目的に「ワンストップ支援センター」の設置を推進している。治療やカウンセリング、簡単な聞き取りなど、必要な支援を1カ所でまとめて行う施設のことである。
 しかし、今年3月時点で実際に開設されたのは、愛知県一宮市と大阪府松原市の2カ所だけにとどまっている。
 白書に手記を寄せた女性は「被害者の人生を長く支えるため、警察や病院、行政の支援態勢が網の目のように張り巡らされる社会になってほしい」と訴える。
 切実な願いであろう。性犯罪は「心の殺人」とも言われ、女性の人権を無視した凶悪犯罪だ。
 被害者が受けた傷は癒えにくい。福岡県をはじめ九州各県でも、支援センターの設置を急ぎたい。
(性犯罪被害者 心の傷癒やす態勢整備を・2012年7月13日付西日本新聞朝刊社説)


<多い福岡県の性犯罪>

 で、ちょっと調べてみると書きかけの記事が出てきました。
 2005年から2008年の間4年連続全国一だった強姦事件認知件数が2009年に2位になったという記事を元に性犯罪対策について書こうと思っていたのですが、忘れていました。

 福岡県の人口10万人当たりの強姦(ごうかん)事件(未遂を含む)の認知件数は、昨年1・64件となり、4年連続だった全国ワースト1を返上したことが、県警の調べで分かった。
 性犯罪全体の認知件数も昨年は10年ぶりに500件を割る439件に減少した。性犯罪の特別捜査係や、子供と女性を保護する部署を設け、「検挙と予防」に努めた効果が表れた形だが、依然として性犯罪の発生率は高く、県警はさらに取り締まりを強化する。
 同県の強姦事件の認知件数は▽2005年(143件)▽06年(142件)▽07年(140件)▽08年(122件)で、全国で3~5番目に多かった。これを人口10万人当たりに換算すると、2・83~2・41件になり、人口の多い東京都や大阪府を上回り、4年連続で全国ワースト1だった。しかし、昨年の認知件数は83件に減少し、10万人当たりの件数は1・64件。東京は1・66件で、僅差(きんさ)ながら、ワースト2となっている。
 県警は07年、殺人や放火など凶悪犯罪を担当する捜査1課に強盗・性犯罪特別捜査係を新設。最大15人の特捜員を、県内の警察署に投入し、集中的な捜査に乗り出した。
 福岡市や隣接の春日市などで連続発生した強盗・強姦事件では、性犯罪としては初の合同捜査本部を県警南署に設置。半年以上かけた捜査で、元内装工森賢一被告(25)(1審無期懲役、控訴中)が07年4月~08年8月に35件の犯行を繰り返していたことを突き止め、うち11件を立件した。
 捜査により、認知件数に対する検挙件数の割合(検挙率)も向上。05~07年は60~70%台だったが、08年は92・6%となり、09年も80%近くなっている。
 検挙に加え、性犯罪の前兆と言われる「声かけ」「つきまとい」事案への対策を強化し、予防にも力を入れている。
 県警は09年4月、「子ども・女性安全対策隊」(41人)を生活安全総務課に新設。登下校時間や人気の少ない公園などで、痴漢や声かけ、つきまとい事案を重点的に取り締まり、今年2月までに84人を検挙したり、警告したりした。
 痴漢被害が多かった春日市では昨年10~12月、筑紫野署や小中学校、学習塾などが連携し、夜間パトロールを展開。同年9月は13件だった痴漢被害は、12月には4件に減った。2月からは南署管内でも同様の取り組みが行われている。県警は4月、同隊を課に昇格させ、配偶者や恋人からの暴力(DV)や幼児虐待の早期解決にも力を入れる。(新地英貴)
(強姦ワースト1、4年連続の福岡から東京に・2010年3月11日付読売新聞)

 この「統計資料の平成21年における数値は、暫定値であり、平成22年4月1日に確定(参照)」だそうですが、平成21年1月~12月犯罪統計で確認できます。
 県警は、検挙と予防に力を入れるとしていますが、なぜ福岡県で性犯罪が多いのかきちんとした分析ができなければ、有効な対策が取れそうもない気もします。

<性犯罪被害者の特徴>

 冒頭の社説にあった犯罪被害者白書を見てみます。
 平成24年版犯罪被害者白書性犯罪被害者の現状には、以下のように書かれています。

⑴ 性犯罪被害者の数
 我が国における性犯罪の認知件数は、警察庁統計によれば、平成23年において、強姦1,185件、強制わいせつ6,870件となっている。
 一方、法務総合研究所が平成20年に行った第3回犯罪被害実態(暗数)調査結果(http://www.moj.go.jp/content/000010429.pdf)によれば、性的事件(※1)による犯罪被害について、過去5年間にこれらの被害に遭った個人につき、直近の被害を捜査機関に届けた比率は、13.3パーセントとされており、性犯罪被害は、暗数が大きいことがうかがわれる。
⑵ 被害による影響(犯罪被害類型別調査(平成21年度)の結果から)
 内閣府が平成21年度に実施した犯罪被害類型別継続調査(http://www8.cao.go.jp/hanzai/report/h21-2/index.html)のWeb調査において調査対象となった被害者本人又はその家族若しくは遺族について、性犯罪の被害類型は、過去30日間に健康上の問題があったという回答の割合は49%(一般対象者については30.4%)、過去30日間に精神的な問題や悩みがあったという回答の割合は58.8%(一般対象者については31.9%)、過去30日間の精神健康状態について、重症精神障害相当とされる者の割合は25.5%(一般対象者については、4.1%)となっており(図1、図2、図3(※2))、性犯罪被害による健康上・精神上の悪影響がうかがわれる。


(※1) 同調査においては、「「性的事件」とは、強姦(未遂を含む)、強制わいせつ、不快な行為(痴漢、セクハラなど)を指し、日本の法律上必ずしも処罰の対象とはならない行為も一部含まれる。」とされている。
(※2) 図1から図3については、「平成21年度犯罪被害類型別継続調査結果報告書」P120~121、P127~128の図表4-12、図表4-13、図表4-14、図表4-22、図表4-23、図表4-24の数値をもとに、作成したもの。

(内閣府 性犯罪被害者の現状 平成24年版犯罪被害者白書 2012)

 性犯罪被害者の実数は、把握がとても困難です。
 九州産業大学国際文化学部臨床心理学科講師の森川友子さんによれば、「届出したいが、犯人の逆恨みが怖い」、「人に知られたくない」、「思い出して話すのが辛そう」等の理由で被害届を出すのを迷う被害者が多いとのことです(参照)。

 被害の影響について平成21年度犯罪被害類型別継続調査調査結果報告書を見てみると、以下のように書かれていました。

性犯罪被害者は、特に精神上の悪影響が強く、抑うつ状態にある割合も高めで、日常生活に支障をきたす日数は62日である。事件直後と比較して、特に精神状況が悪くなっているとの回答が多く、回復状況は芳しくない。また、他の類型と比較して、悩みの解決を病院に求める傾向が強い。
主観的回復度が低い被害者は、殺人・傷害等、性犯罪が多く、加害者が密接な関係にある人ほど多い。また、二次的被害を受けている比率も高く、二次的被害が回復を妨げる要因の一つともみられる。
(はじめに)

 日常生活に支障をきたす日数が62日というのは、交通事故被害者の27日はもとより殺人・傷害事件の被害者等の49日に比べても高いです。

 また、全く回復していない被害者が3割と多いのも性犯罪被害者の特徴だそうです(参照)。

<性犯罪被害者が直面する問題>

 先に出た森川さんの資料には、性犯罪被害者が直面する問題として心理的症状、再被害の不安、身体面の問題、手続きに関する悩み、経済的問題、適応の問題の6つが挙げられています(参照)。
 心理的反応・症状としては、7つを挙げ、「被害者は恒常的な不安・恐怖感を体験する」としています。

A 過覚醒
 ○四六時中びくびくして怖い
 ○不眠
B 再体験
 ○フラッシュバック(思い出したくないのに思い出して辛い)
C 回避
 ○思い出させるものを何としても避けたい
 ○解離(感情が麻痺して喜怒哀楽がない、現実感がない)
D 身体症状
 ○食欲不振、嘔吐、腹痛
 ○疲労感など全般的不調
E 否定的自己像
 ○自己嫌悪
 ○自責感
 ○無力感
 ○抑うつ・希死
F 怒り
 ○今まで体験したことのないような怒り
G 自己破壊的行動
 ○アルコール
 ○自傷行為
(犯罪被害者週間国民のつどい福岡大会シンポジウム 性犯罪被害者に対する支援)

 また、犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページ性暴力被害者のメンタルヘルスと治療は、PTSD症状と解離症状、抑うつ症状・自殺念慮、身体症状、アルコール・薬物依存、罪責感、恥辱感、汚れてしまった感覚、怒りを挙げています。

 犯罪被害者のメンタルヘルス情報ページを作成した武蔵野大学(元武蔵野女子大学)の小西聖子教授によると、「性犯罪の被害は様々な暴力犯罪のうち最も高率にPTSD をもたらす(Kesslerら,1995)(参照)」なのだそうです。

 そのような事が、冒頭の社説にあった「心の殺人」という呼び方に繋がっていくのでしょう。

<心の殺人>

 性暴力被害者には、異性や恋愛を極端に避けようとする人や、逆に好意の有無を問わず性交渉を持つ人もいるそうです。
 好意の有無を問わず性交渉を持つ人は、「性」の価値を低く評価することによって被害を低く評価しようとしているのだという人もいれば、自傷行為の一種だと解釈する人もいるようです。
 知人には、好意がある相手とは性交渉できないという人もいました。
 すべてを性犯罪被害のせいにするのも危険だと思いますが、被害はその後の人生に大きな影響を与えているような気がします。
 確かに「心の殺人」という呼び方には一理あるように思います。

 その一方、周囲の人が直面する問題というのも挙げられています。
 先の森川さんは、ショック(代理被害:被害者と同じ症状)、自責の念、被害者との意見の相違、被害者への配慮疲れ・対応疲れ、回復を期待しては落ち込むことの繰り返しの5つを挙げていて、「被害者を支える周囲の人も支援の対象(参照)」としています。

<周囲に求められる支援>

 社説にもありましたが、ワンストップ支援センターを含む公的な支援を充実させていく必要があるでしょう。
 しかし、公的な支援は専門的な反面、個別性に置いては弱さもあると思います。
 僕たち一人一人が犯罪被害者について知り、可能な限り支えて行けるようになるのが理想なのでしょう。
 難しい事ですが。

 僕たちがが「身近な者として」できる支援としては、8つ挙げられています。

• 責めずに話を聴くこと
• 意向を理解し、受け止めること
• そばに居ること
• 代わりに情報を集めること(司法、医療、民間団体)
• 身の回りのサポートをすること
• 代理・付き添うこと
• 被害者の心理に関して勉強すること(短期的/ 長期的な心理的影響への理解)
• 自分自身の心理的影響についてケアを求めること
(参照)

 まったく関係ありませんが、「緊急避妊薬を72時間以内に服用すると70%程度の妊娠を防げる(参照)」という事で、性感染症の危険を防ぐ意味も込めて早めの婦人科受診が望まれるようです。
関連記事
スポンサーサイト

にほんブログ村 地域生活ブログ 福岡情報へ にほんブログ村 政治ブログへ にほんブログ村 鉄道ブログへ
Keyword : 事件 心理学

テーマ:性犯罪・わいせつ事件 - ジャンル:ニュース


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wantetsu.blog61.fc2.com/tb.php/949-4d4ddc21
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)



当ブログはリンクフリーです。
ただし、匿名掲示板からのリンクは管理者であろうとも禁止します。
不適当だと判断したコメント・トラックバックは掲載しません。
情報の正確性には常に留意しておりますが、その検証能力には限りがあります。
このサイトにより生じたいかなる損害においても責任は負いかねますのでご了承ください。